EU閣僚理事会、「資本市場同盟」強化の即応策を指示
(EU)
ブリュッセル発
2020年12月07日
EU理事会(閣僚理事会)は12月3日の決定で、欧州委員会が9月24日に公表した、資本市場同盟に関する行動計画(関連ブラック クイーン ブラック)を承認した。同行動計画は、EU単一市場の主要要素の1つである、資本の自由移動を実現する上での障壁を改善し、域内での投資と貯蓄を活性化させるための政策をまとめたもの。EU理事会は3日の決定で、欧州委が提示した16の行動計画のうち、中小企業に貢献する政策および「新型コロナウイルス危機」からの経済回復に資する即応策について、最優先の課題として2021年末までの実施を欧州委に指示した。
域内の投資促進に加え、英国EU離脱への対応の側面も
EU理事会は、中でも至急の実施が必要な即応策として、以下の点を挙げた。
- 中小企業などによる金融市場からの資金調達の円滑化(行動計画2、注)
- 企業の財務ブラック ジャック 攻略ほか関連ブラック ジャック 攻略へのEUワイドのアクセスポイント構築(行動計画1)
- 長期投資家(保険事業者、銀行、その他機関投資家)の役割を強化(行動計画4)
また、次の点についても、期限は示さなかったものの、欧州委に早期の改善を指示した。
- 金融リテラシー向上の枠組み整備(行動計画7)
- クロスボーダー決済システムほか金融取引完了に必要な基盤の整備(行動計画13)
- 資本市場に関する規制の調和に向けた金融監督体制の協調推進(行動計画16)
他方、破産法など法制度の調和(行動計画11)や、上場企業に対する財務報告に関する取り決めの強化(行動計画15)といった、法制化を伴う長期的な課題については、欧州委にさらなる検討を求めると指摘するにとどまった。
2020年下半期のEU議長国を務めるドイツのオラフ・ショルツ副首相兼財務相は「新型コロナウイルスの経済への影響や、持続可能でデジタル化の進んだEU経済への移行、さらに英国のEU離脱といった課題が、より強固で真に統合されたEU資本市場の必要性を際立たせている」と述べ、今回の決定を「真の資本市場同盟構築に向けたEU加盟国からの強力なシグナル」と位置付けた。
(注)欧州委員会の16の行動計画(2020年9月25日記事添付資料参照)のうち、主に該当する項目。ただし、EU理事会は各行動計画との対応関係を明示したわけではなく、他の項目も関連する場合がある。
(安田啓)
(EU)
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