イングランド、全域ロックダウン後の行動規制を発表
(英国)
ロンドン発
2020年12月01日
英国のボリス・ジョンソン首相は11月23日、新方針「新型コロナウイルス感染症冬季計画」を発表した。イングランド全域で施行中のロックダウン()は予定どおり12月2日に解除し、以降は3段階からなる地域別行動規制を再び導入する。2021年3月末まで続ける。警戒レベルごとの新規制の概要は添付資料のとおり。
これを受けて保健省は11月26日、イングランド内の各自治体の警戒レベルを発表。「中」レベルは3地域のみで、「高」にはロンドン全域など、「最高」にはマンチェスターやバーミンガムなどを指定した(政府資料4ページ参照)。
全域ロックダウン下では休業を命じられていた非必需品の小売店、美容院などのパーソナルケア業、ジムやプールといった屋内運動などは、全警戒レベル下で営業が認められる。「高」レベルでも、パブやバーでの酒類のみの提供を禁止することとし、「最高」では、店内営業を禁止するなど一部規制を強化した。これに対し、英国ビール・パブ協会は25日夜、50以上の醸造・パブ事業団体による共同書簡を首相宛てに送付。3万軒以上のパブに壊滅的な影響を与えると政府を強く非難し、助成金額の値上げなどを訴えた。
イングランド以外では、ウェールズ自治政府が11月9日、北アイルランド自治政府が11月19日に、全域ロックダウンを終了した。しかし、いずれも自治体単位での規制ではなく、全域での規制を継続。北アイルランドでは、19日から営業を再開した飲食店や非必需品小売店の店内営業などが11月27日から12月10日まで再び禁止された。スコットランド自治政府は自治体単位での行動規制()を継続するが、域外(イングランド、ウェールズ、北アイルランド)との間の移動と、同地域内のレベル4(最高レベル)と3の間の移動を法律で禁止するなど、対策を強化している。
クリスマス期間や水際対策では緩和も
一方、政府は11月24日、クリスマス期間限定の緩和策も打ち出した。12月23~27日の間、最大3世帯が集まる「クリスマスバブル」を形成し、その中に限って世帯間交流を認めることを発表。期間中は警戒レベルを問わず、全国で移動が許可される(北アイルランドとの往来は前後1日も許容)。
水際対策も一部緩和される。交通省は11月24日、自主隔離免除対象国(Travel Corridors)以外の国・地域からの入国者に課すイングランド入国時の14日間の自己隔離義務について、5日間の自己隔離後の検査で陰性だった場合、隔離を終了できる選択肢を与えることを発表。12月15日から施行する予定だ。
(杉田舞希)
(英国)
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