感染拡大傾向、東ケープ州の一部地域の制限強化
(南アフリカ共和国)
ヨハネスブルク発
2020年12月07日
南アフリカ共和国のシリル・ラマポーザ大統領は12月3日、新型コロナウイルス感染対策の進捗に関する国民演説を行った。8月以降、1日当たり新規感染者数は平均2,000人以下が続き、これまでの感染者の約92%は回復したものの、11月最終週には約2,900人に増加したと、再度感染が拡大していることを説明した。特に、東ケープ州の最大都市ネルソンマンデラベイ都市圏(注)や同州に隣接する西ケープ州の一部地域などで顕著に増加しており、医療体制が逼迫しはじめていると危機感を示した。背景には、葬儀をはじめとする大規模な集会の実施や、マスク着用とソーシャルディスタンス確保が徹底されていないことがあるとした。
政府は、新規感染者数や陽性率などのデータを基に、国家コロナウイルス評議会、州知事などと協議し、ネルソンマンデラベイ都市圏を「ホットスポット」に指定することを閣議決定したと発表した。9月下旬から全土に敷かれている新型コロナウイルス警戒レベル1(最大レベル5、アフリカ諸国および感染率が低い国々との21)に加え、同都市圏に対しては下記の制限を即日で課すとした。
- 午後10時~翌日午前4時までの外出禁止
- 酒類の店頭販売は月曜~木曜の日中に限る。公共の場での飲酒を禁止
- 100人以上の室内でのイベント、250人以上の屋外でのイベントを禁止
南アで、ギャンブル ゲーム 無料の制限が設けられるのは今回が初めてだ。ラマポーザ大統領は、東・西ケープ州の一部地域にズウェリ・ムキゼ保健相を派遣して評価を行い、今後の対応を協議するとした。感染の第2波を抑制しながらも、国内の他地域の経済活動はできるだけ正常な状態を維持したい政府の思惑がみられる。また、12月15日で期限を迎える予定だった災害対処法に基づく「国家的災害事態」の、2021年1月15日までの延長も発表された。
(注)ポートエリザベス市を含む都市圏。同都市圏にはフォルクスワーゲン、いすゞ自動車、北京汽車(BAIC)など自動車産業も集積している。
(高橋史)
(南アフリカ共和国)
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