トルコから中国へ初の貨物列車が運行開始
(トルコ)
イスタンブール発
2020年12月08日
12月4日に、イスタンブールの欧州側にあるトルコ国鉄(TCDD)カズルチェシュメ駅で、トルコと中国とを結ぶ初の貨物列車の出発式典が行われた。アディル・カライスマイルオール運輸・インフラ相は「鉄道貨物輸送の新しい時代が始まった」とし、この貨物列車の運行によって、これまで1カ月を要した両国間の貨物輸送が12日間に短縮できると強調した。
貨物列車は、イスタンブールを出発し、トルコ、ジョージア、アゼルバイジャン、カザフスタンを横断して中国の西安に42個のコンテナを輸送する。5カ国を横断する総延長8,693キロの鉄道輸送は、トルコの「鉄のシルクロード」計画と中国の「一帯一路」が結び付いたもので、2019年11月には中国からプラハ(チェコ)へのトランジット便がトルコを経由・通過している。この貨物路線は、TCDDと公式フォワーダー会社のパシフィック・ユーラシアとの協力で運行される。
今回、初めてのトルコ発となる貨物列車は、日本の大成建設によって建設されたボスポラス海底トンネル「マルマライ」(2013年10月29日開業)を抜けて、トルコを横断し、バクー・トビリシ・カルス鉄道(2017年10月30日完成)でコーカサスを横断、カスピ海横断国際輸送ルート(TITR)を経て、中央アジアから中国に抜ける、まさに歴史上の「シルクロード」をなぞったものとなる。
(中島敏博)
(トルコ)
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