感染第2波の南ア、休暇シーズンを前に全土で制限強化
(南アフリカ共和国)
ヨハネスブルク発
2020年12月16日
南アフリカ共和国のシリル・ラマポーザ大統領は12月14日、新型コロナウイルス感染対策の進捗に関する国民演説を行った。9日に感染拡大の第2波が確認され(2020年12月15日記事参照)、本格的な年末の休暇シーズンを前に政府がどこまで経済制限を課すか注目が集まっていた。ラマポーザ大統領は「第2波の拡大を抑え、人命を守るために非常手段(extraordinary measures)を取る必要がある」と強い警戒感を示し、新たな制限を課すことを発表した。主な内容は以下のとおり。
- 政府が特に感染拡大を警戒する「ホットスポット」として、東ケープ州ネルソンマンデラベイ都市圏に加え、同州サラ・バートマン地区、西ケープ州ガーデンルート地区を新たに指定
- 12月16日~1月3日に東ケープ州およびガーデンルート地区の全ての公園とビーチを閉鎖
- 現在全土に敷かれている新型コロナウイルス警戒レベル1(アフリカ諸国および感染率が低い国々との21)で定められているプロトコル順守の徹底(違反者には罰金や最長6カ月の禁固刑)
- 全土において、100人以上の屋内でのイベント、250人以上の屋外でのイベントの実施を禁止
- 全土において、午後11時~翌午前4時までの夜間外出禁止
- 全土において、レストランやバーの午後10時以降の営業禁止
- 店頭での酒類販売を月曜~木曜の午前10時~午後6時に短縮(ただし、登録されたワイナリーの営業は週末も許可)、公共の場での飲酒の禁止
詳細は即日官報に掲載された。今回の発表では、飲食業など一部の業種を除き、企業活動やハイパーブラックジャック渡航に関する制限は課せられなかったが、今後さらに感染拡大および医療体制が逼迫した場合に、どこまで経済と感染抑制のバランスが取られるのか留意が必要だ。
(高橋史)
(南アフリカ共和国)
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