感染状況悪化で非常事態を再び延長、制限措置の一部強化も
(チェコ)
プラハ発
2020年12月15日
チェコ下院は12月9日、新型コロナウイルス感染状況の悪化に伴い10月5日に発動した非常事態宣言の3度目の延長を可決した(関連ブラック ジャック コツ、11月4日記事、11月24日記事参照)。内閣は今回も30日間の延長を提議していたが、野党の支持を得ることができず、延長期間は最終的に11日間に限定された。これに基づいて内閣は12月10日、非常事態宣言の12月23日までの延長を宣言した。
内閣は延長理由を感染状況がやや悪化しつつあるためと説明。新規感染者数は12月3日以降、前週の同じ曜日を上回り、12月9日には11月20日以降最多の6,412人に達した(添付資料図参照)。
また、感染指標()は12月6日に前日の57ポイントから62ポイントに増加し、7日からは64ポイント、12日は69ポイント、13日には71ポイントに上昇している。これはレベル4に相当し、現行のレベル3からの引き上げの条件である「変更先レベルの基準を満たす状況の3日間継続」が既に8日の時点で満たされていたことになる。
内閣は12月7日に事前対策を審議し、高齢者の新規感染者数や入院患者数が上昇していない状況などを考慮して、7日時点ではレベル4の感染拡大防止措置への完全移行は行わないことを決定している。ただし、9日付で以下のとおり、一部規制を再度強化することを決定した。
- 飲食店の営業終了時間(テークアウト窓口を含む)を午後10時から午後8時に変更
- 公共の場での飲酒禁止の再導入
- 飲食店テークアウト窓口でのアルコール飲料の販売禁止
- 屋外市場での飲食サービスの提供とアルコール飲料の販売禁止
なお、3.と4.の「アルコール飲料の販売禁止」は10日に修正され、禁止対象がアルコール飲料を含む飲料全般に拡大した一方、その場での摂取目的に用意されるものに限定され、持ち帰り用の飲料は対象外となった。
さらに、保健省は7日、抗原検査に関する緊急措置を発布し、18日から2021年1月15日までの期間、公的健康保険加入者が希望する場合、5日間に1度まで抗原検査を無料で受検することを可能とした。抗原検査で陽性と判定された場合には、PCR検査の受検が義務付けられる。
(中川圭子)
(チェコ)
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