大統領選、5期目を目指す現職が優勢、抗議デモでは死傷者も
(ウガンダ)
ナイロビ発
2020年12月25日
ウガンダでは2021年1月14日に、5年ぶりとなる大統領・国会議員選挙が行われる。大統領選では、1986年から政権を担う現職のウェリ・カグタ・ムセベニ氏が優勢と現地ではみられているが、野党候補者が選挙活動中に身柄を拘束されたことで抗議デモが起こり、死傷者が出る事態となっている。
大統領選には、与党の国民抵抗運動(NRM)を率いるムセベニ氏を含む11人が立候補している。現地メディアは11月18日、野党の最大勢力である国家統一プラットフォーム(NUP)のボビ・ワインことロバート・キャグラニ氏の身柄が拘束されたと報じた。2日後には釈放されたものの、抗議した若者と警察官が衝突し、少なくとも37人が死亡したと報じられた(11月20日AFP通信)。EUは、ウガンダ政府が度重なる勧告に対応しないことを理由に、選挙監視団を派遣しないと述べている(11月16日ロイター)。
ウガンダでは2005年、大統領の3選禁止規定が廃止され、ムセベニ氏は30年を超える長期政権となっている。1月の選挙で再選を果たせば、5期目となる。ウガンダ統計局によると、全国の失業率は9.2%、特に18~30歳の失業率は13.3%と高い。また、ウガンダの新型コロナウイルス感染者数は3万1,384人で、東アフリカではケニアに次ぐ規模で拡大している(12月22日保健省)。過去には中東・北アフリカで、不満を募らせた若者が実施したデモを契機に長期政権が倒れたケースもあり、ウガンダ国民が現職大統領をどう評価するか、注目が集まる。
(久保唯香)
(ウガンダ)
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