米大統領選、世論調査どおりバイデン候補が加州を制する
(米国)
サンフランシスコ発
2020年11月05日
米国大統領選挙が11月3日に行われ、カリフォルニア州では投票前の世論調査どおり民主党のバイデン候補が勝利を確実にし、選挙人55票を獲得した(注)。
州内の郡ごとに両候補の勝敗をみると、同州58郡中、サンフランシスコ・ベイエリアに所在する郡やロサンゼルス、サンディエゴなど沿岸の大都市圏を含む36郡をバイデン候補が制した一方、州最北部や、農業地として知られるセントラルバレーを中心にトランプ大統領が22郡で票を集めた。
共同通信(速報値)によると、11月4日午後8時時点のカリフォルニア州全体でのバイデン候補への得票率は65.3%で、トランプ大統領(32.9%)との得票差は32.3ポイントにとなり、選挙前の世論調査に近かった。同州でのバイデン候補とトランプ大統領の選挙前の支持率は、投票日1週間前10月27日時点で、無党派政治ブラック ジャック ディーラー ルールサイトの270トゥーウィンではそれぞれ61.7%、32.3%(29.4ポイント差)、データ分析サイトのファイブサーティエイトでは64.0%、34.1%(29.9ポイント差)だった。
2016年の大統領選結果と比較すると、トランプ氏の得票率は2016年が32.8%で2020年とほぼ同様だった一方、バイデン候補がクリントン氏(2016年:61.6%)よりも数ポイント上回って支持を得ていることが分かる。
西海岸のその他の民主党優位州であるワシントン(選挙人12票、バイデン候補:61%、トランプ大統領:36.9%、)とオレゴン(7票、57.5%、40.2%)でも、バイデン候補が勝利を確実にした(得票率は両州とも11月4日午後3時時点)。
他方、全米の最終的な選挙結果は、ペンシルベニア州など激戦州では郵便投票の集計がまだ終了しておらず、投票日翌日の11月4日時点でまだ確定していない。サンフランシスコ市中心部では、選挙結果を受けて発生する可能性のある暴動や略奪を警戒し、オフィスビルの出入りを制限したり、路面店がガラス面に板を打ち付けるなどセキュリティ強化を行っている(添付資料参照)。
(注)米国大統領選挙は、全米各州に割り振られた選挙人538票(州ごとに連邦上院議員2人と下院議員人数分の票が与えられる)のうち、270票を獲得した候補者が勝つ仕組み(エレクトラルカレッジ制)。カリフォルニア州では、選挙人票は全部で55票あり、得票数が最も多い候補者が全55票を勝ち取る。
(田中三保子)
(米国)
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