ブルキナファソ大統領選、現職のカボレ氏が大差で再選
(ブルキナファソ、コートジボワール)
アビジャン発
2020年11月27日
西アフリカのブルキナファソで11月22日に大統領選挙が実施され、現職のロシュ・マルク・クリスチャン・カボレ氏が対立候補を大差で抑え、再選を果たした。
11月26日に国家独立選挙委員会が発表した暫定開票結果によると、得票率は、進歩のための国民運動(MPP)党首のカボレ氏が57.87%と、次点の民主主義進歩会議(CDP)党首のエディ・コンボアゴ氏(15.48%)ら12人のライバル候補を大きく引き離し、過半数を超えたことから当選が決まった。有権者数は650万人、投票率は50.79%だった。憲法院は近く、選挙結果について認定を行う。
野党側は、憲法院への異議申し立ての権利を保持するとしながらも、暫定結果を受け入れる構えだ。カボレ大統領は勝利宣言を行い、「勝者も敗者もわれわれは全てブルキナファソ人だ。全ての国民のために国の平和、発展、繁栄に向け団結していかなければならない」と述べた。政変の危機を乗り越え、選挙が平和裏に実施されたことで、内政の安定化とともに国民和解の進展が期待される。投票前から優勢が伝えられていたカボレ大統領の圧勝は、野党側が明確な政策方針を打ち出せず支持者層を動員できなかったことや、野党が結束できずに票田が割れたことが要因とみられている(「フランス24」11月27日)。
一方、マリとの国境地帯で武装勢力による襲撃が活発化しており、治安の悪化が懸念されることから、投票は厳戒態勢が敷かれる中で実施された。北部と東部地方ではテロの脅威が高まり、40万人近くの有権者が投票を行えなかったとされる(ロイター通信11月22日)。
ブルキナファソでは、2014年末に民衆の蜂起で前政権が失脚して以降、イスラム過激派による武装襲撃が活発化し、テロの危険にさらされている。特に北部や東部地方での治安の悪化が喫緊の課題となっている。
(渡辺久美子)
(ブルキナファソ、コートジボワール)
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