日本発の宇宙ベンチャーispace、米コロラド州に拠点開設
(米国)
ロサンゼルス発
2020年11月11日
月面探査機開発のアイスペース(ispace)(本社:東京都港区)は11月9日、米国コロラド州に新たな拠点を開設すると発表した。米国内の複数の候補地を検討した結果、米国での開発チーム設立に向けたエンジニア候補の人材が豊富なことから同州を選んだとしている。同社はまた、米国商務省によるトランプ ゲーム ブラック ジャック企業の対米投資促進プログラムSelectUSAの協力を得て、今回の拠点開設に至ったとしている
ispaceは月面着陸船や探査車を開発しており、日本国外にはルクセンブルクに拠点を持つ。同社は月面探査レースのグーグル・ルナ・エックスプライズ(Google Lunar XPRIZE)に参加したチーム「HAKUTO」を運営し、月面探査のための技術やノウハウを獲得。現在は2022年までの月面着陸、2023年までの月面探査を目指すプログラム「HAKUTO-R」に取り組んでいる。同社は、経済産業省が推進するスタートアップ企業の育成支援プログラム「J-Startup」の対象企業に認定されている(注)。
コロラド州には、軍事関連施設や航空宇宙産業の主要拠点として発展してきた歴史があり、優秀な人材を輩出する大学や研究機関が多数存在し、通信関連や航空・宇宙産業をはじめとする高度な技術や人材が集積している。同州政府がテック企業の誘致に積極的に動いていることに加え、交通の利便性や住環境の良さも相まって、シリコンバレーをはじめ、州外のテック企業が同州に新たな拠点を設置・拡充している。
同州のジャレッド・ポリス知事はispaceの決定に歓迎の意を示し、「コロラド州は航空宇宙分野で実績あるリーダーであり、住みやすく、起業や経営に最適な場所の1つだ。ispaceはコロラド州で高待遇の宇宙開発の雇用創出をさらに強化する」と述べた。
(注)「J-Startup」に認定された企業は、経済産業省やジェトロ、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から、優先的にビジネスマッチングなどの支援を受けることができる。
(永田光)
(米国)
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