米連邦議会選挙、下院は民主党優勢、上院では接戦続く

(米国)

ニューヨーク発

2020年11月05日

11月3日に投開票が開始された米国連邦議会選挙は、下院(定数435、任期2年)で民主党が199議席、共和党が184議席の獲得を確実にした(CNN、米東部時間11月4日午後9時30分時点)。ニューヨークやカリフォルニア、ペンシルベニアなどの選挙区の結果が一部出ていないものの、事前の世論調査どおり、民主党が多数を維持する見通しだ()。他方、2018年の中間選挙で初当選した民主党議員が共和党候補に敗北する選挙区が目立つなど、民主党の議席数は減少する、との観測が高まっている。

上院(定数100、任期6年)は、改選対象の35議席中29議席の結果が固まり、共和党、民主党とも非改選議席と合わせて47議席と同数を確保している。民主党はコロラド州で共和党現職を破った一方、アラバマ州では共和党のトミー・タバービル候補が現職のダグ・ジョーンズ議員(民主党)に勝利した。改選議席のうち23議席が共和党現職で、同党にとって守りの選挙といわれていたが、接戦のメーン州でスーザン・コリンズ議員(共和党)が勝利宣言するなど、共和党の多数維持が有力視されつつある。民主党が多数派を形成するには、残る6議席のうち最低でも3議席(注)を獲得する必要がある。残る議席のうち、ノースカロライナ州は投票日までの消印の郵便投票を11月12日まで受け付け、また両党から複数候補が立候補したジョージア州の特別選挙では各候補が過半数の票を得ておらず、このままでは2021年1月に上位2人による決選投票を行うことになるため、上院選の結果確定には時間を要する可能性がある。

また、連邦議会選と同日、11州で知事選挙が実施された。10州で現職知事が再選を果たしたが、モンタナ州では共和党のグレッグ・ジアンフォルテ候補が民主党のマイク・クーニー候補に勝利し、党派が入れ替わった。今回選挙を経て、全米50州のうち、共和党の州知事は27人を占め、民主党(23人)を上回る。

(注)上院では、副大統領が議長を務め、法案採決などで賛成と反対が同数で割れた際には副大統領も投票が可能。大統領選で、バイデン前副大統領が勝利した場合、民主党は上院で50議席を確保すれば、副大統領の投票を合わせて過半数を得ることができる。ただ、トランプ大統領再選時は、過半数確保のためには51議席を獲得する必要がある。

(藪恭兵)

(米国)

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