ネタニヤフ首相、バイデンおよびハリス両氏に祝意を表明
(イスラエル、米国)
テルアビブ発
2020年11月09日
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、11月8日時点で首相府としての公式な声明は発表していないものの、自身のツイッターを更新し、米国大統領選挙で当選確実と報じられたジョー・バイデン氏と、副大統領候補に指名されているカマラ・ハリス氏への祝意を表明した。同首相は、バイデン氏と40年近くにわたって個人的な友好関係にあることを紹介するとともに、同氏がイスラエルの偉大な友人だとして、政権交代後の米国とイスラエルが引き続き特別な同盟関係にあり続けることを楽しみにしている、とした。また同日、ベンヤミン・ガンツ副首相兼国防相も自身のツイッターを更新し、バイデンおよびハリス両氏への祝意を表した。
ネタニヤフ首相は、バイデンおよびハリス両氏への祝意を示した直後に、再度ツイッターを更新し、トランプ大統領への謝意を示した。トランプ大統領がエルサレムをイスラエルの首都とし、ゴラン高原を同国の領土と認めたこと、対イラン政策における協調、そして歴史的な湾岸諸国との関係正常化を成し遂げたこと、などを成果として挙げた。
11月8日付の現地紙は、バイデン氏と、イスラエルのゴルダ・メイア元首相(1973年8月、ヨムキプール戦争開戦直前に会談)やメナヘム・ベギン元首相(1982年6月、レバノン戦争開戦直後に会談)など歴代首相との関係をさかのぼり、イスラエルにとって歴史的に重要な場面に立ち会ってきたことから、同氏とイスラエルとの深い関係に触れた。他方で、同氏が副大統領を務めたオバマ政権時代の外交政策に触れて、対イラン政策や対パレスチナ政策ではトランプ政権からの変化があるだろうとする見方もある。特に対パレスチナ政策に関して、米国の外交政策の大幅な転換があるとすれば、イスラエルの国内政治にも直結する。
パレスチナ自治政府のアッバス議長も声明を発表し、バイデンおよびハリス両氏への祝意を表した上で、米国新政権と共に、自由と独立、パレスチナの人々の正義と尊厳を求めるとした(現地紙11月8日)。また、パレスチナ自治政府高官の談話として、自治政府としては、米国が仲介するイスラエルとの和平交渉の前提を2016年のオバマ政権下の時点まで戻すこと、米国大使館のエルサレムからテルアビブへの再移転などを米国に要求していく、とする報道もあり、今後の推移が注視される。
(吉田暢)
(イスラエル、米国)
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