マグフリ大統領が2期目の所信表明、汚職撲滅や投資誘致に意欲

(タンザニア、ケニア)

ナイロビ発

2020年11月25日

タンザニアで10月28日の総選挙後、初めてとなる国民議会が11月13日に開催され、得票率84%で再選したジョン・ボンベ・マグフリ大統領が2期目の所信を表明した。汚職撲滅や貧困削減への強い決意を述べた上で、1期目の5年間で平均7%だった経済成長率を、今後5年間で8%に引き上げるとした。経済刺激策の一環として、製造業への投資誘致にも取り組み、税制の優遇や許認可の迅速化など、ビジネス環境の改善を進める。これまで首相府が所轄していたタンザニア投資センター(TIC)を、大統領府傘下とすることも発表した。

一方、米国、英国、ノルウェー、カナダを中心とする国際監視団および外交団は、選挙の結果が信頼性を欠くもの、としている(「アフリカレポート」11月5日)。選挙活動期間中には、野党候補者が選挙管理委員会から活動停止処分を受けるなどの措置がとられた(2020年10月29日付地域・分析レポート参照)。大統領就任式の直前にも、野党メンバー数人が警察に一時拘束された。野党第1党の民主開発党(CHADEMA)が大統領に擁立したトゥンドゥ・アンディパス・リッス氏は、報道によると、在タンザニア・ドイツ大使館に避難し、隣国ケニアに亡命を求めている(「イーストアフリカン」11月9日)。

(久保唯香)

(タンザニア、ケニア)

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