広東省の1~9月GRP成長率、プラスに転じる
(中国)
広州発
2020年11月05日
広東省統計局は10月22日、同省の2020年1~9月の域内総生産(GRP)は前年同期比0.7%増の7兆8,397億元(約122兆2,993億円、1元=約15.6円)と発表した。第1四半期(1~3月)の6.7%減、上半期(1~6月)の2.5%減から、プラスに転じた。産業別では、第一次産業が3.0%増、第二次産業が0.8%減、第三次産業が1.7%増だった。固定資産投資が5.0%増と全体を押し上げたものの、消費、貿易、工業生産は引き続き前年同期比減となった(添付資料表参照)。
固定資産投資は、前年同期比5.0%増となった。そのうちインフラ投資は11.6%増と、上半期(7.2%増)に続き好調で、特に新型インフラ建設(注1)への投資が盛んだった。広東省工業信息化庁の発表によると、第5世代移動通信システム(5G)基地局の建設は1~9月に6万9,000基と、既に建設目標の1.5倍に達している。
社会消費品小売総額は、前年同期比9.3%減の2兆8,721億元で、減少幅は1~6月の14.0%減から4.7ポイント縮小したものの、引き続き前年同期比マイナスになった。他方、オンライン小売額は20.4%増と1~6月に続き2桁増と堅調だった。消費は回復がやや遅れているものの、1人当たり実質可処分所得が0.5%増とプラスに転じていることなどを背景に、回復の兆しが見て取れる。
一定規模以上の工業企業(注2)の付加価値増加額は前年同期比1.2%減だったが、単月でみると6月以降4カ月連続で前年同月比増となった。
貿易額は前年同期比1.6%減の5兆841億元で、うち輸出が1.5%減の3兆863億元、輸入が1.6%減の1兆9,979億元だった。税関総署広東分署は、新型コロナウイルスの影響により、世界経済の回復スピードは遅いものの、中央政府および広東省政府の貿易振興政策によって広東省の対外貿易は引き続き回復傾向が続く、と分析している。
(注1)5G、データセンター、人工知能(AI)技術などを支えるデジタルインフラ、充電スタンドをはじめとする次世代インフラなどを指す。
(注2)その年の主な業務による売上高が2,000万元以上の工業企業。
(盧真)
(中国)
ビジネス短信 242787305e3607ce