ホーチミン市直轄の新都市計画案に政府が同意
(ベトナム)
ホーチミン発
2020年11月26日
ベトナムのチン・ディン・ズン副首相は11月10日、ホーチミン市内に市直轄の仮称「トゥードゥク市」(以下、トゥードゥク市)を設立する計画案に同意したと、共産党機関紙やその他の当地の複数メディアが報じた。市直轄の第1級市(注)の設立は全国初の試みだ。
ズン副首相は、ベトナム建設省の提案を受けてこの計画案に同意した上で、ホーチミン市人民委員会に対し、トゥードゥク市設立に向けて計画を完成させるとともに、設立後にはトゥードゥク市がホーチミン市直轄の第1級市として認められるよう総合計画を策定し、法律に従って各管轄当局に必要書類を提出するよう指示した(「共産党新聞」電子版11月13日)。
このトゥードゥク市の計画地は、ホーチミン市内を流れるサイゴン川を隔てた市内東部に位置する「2区」「9区」「トゥードゥク区」から形成され、面積は211平方キロメートル以上。人口は150万人以上と想定され、その経済規模はホーチミン市の地域総生産(GRDP)の3分の1、ベトナム国内GDPの7%に相当する(「VNエクスプレス」11月11日)。
また、ホーチミン市交通運輸局は、2030年までにトゥードゥク市に関連する交通インフラの整備に300兆ドン(約1兆3,500億円、1ドン=約0.0045円)を必要としている(「タイチン」紙電子版11月6日付)。
トゥードゥク市の計画地には南部の海上輸送の要所とされるカットライ港も含まれ、日系製造業が多く進出し、新空港ロンタイン国際空港の建設が計画中のドンナイ省に隣接する。また、深水港のカイメップ・チーバイ国際港が位置するバリア=ブンタウ省へのアクセスも良好な位置にあり、注目を集めている。
(注)ベトナム国内には現在、中央直轄のハイフォン市、ダナン市、カントー市の3市、各地方省直轄の19市の計22の第1級市がある。首都ハノイ市とホーチミン市は中央直轄の特別市に分類される。今回のトゥードゥク市はホーチミン市直轄で、全国初の市直轄の第1級市になるとされる。
(小川士文)
(ベトナム)
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