バイデン氏、新型コロナ対策の諮問会議を立ち上げ
(米国)
ニューヨーク発
2020年11月10日
米国大統領選挙で当選確実が報じられた民主党のジョー・バイデン前副大統領は、事実上の政権移行期間の初日となる11月9日、最優先の政策課題とする新型コロナウイルス対策のための諮問会議の立ち上げを発表した。バイデン氏は7日に行った勝利宣言の演説で、ウイルスを制御するまで経済の修復などはできないとし、科学者で構成される諮問会議の立ち上げを表明していた(関連ブラック ジャック ランキング)。
諮問会議は、デビッド・ケスラー・カリフォルニア大学サンフランシスコ校教授、ビベク・マーシー元米国公衆衛生局長官(オバマ政権時)、マーセラ・ヌネス・スミス・イェール大学助教授が共同議長を務め、そのほか医療や公衆衛生の専門家10人の計13人で構成される。
バイデン氏は、政権移行チームのウェブサイトを通じた声明で、諮問会議の役割について「感染急増を抑え込み、ワクチンの安全性・有効性とともに、効率的、平等かつ無料での普及を保証し、リスクの高い人々を守るための私のアプローチを形作ることを支援する」と説明している。加えて、諮問会議立ち上げ発表に伴う記者会見では、「世界の至る所でウイルスを退治しなければ、このウイルスが完全に終わることはない」とし、「このパンデミックとの戦いで米国のリーダーシップを取り戻すために、国際健康安全保障の専門家も諮問会議のメンバーに迎えた」と、国際的な貢献にも意欲を示した。
マスク着用の重要性をあらためて強調
新型コロナウイルスワクチンの開発に関しては、米医薬品大手ファイザーが11月9日、ドイツのビオンテックと開発中のワクチンの治験で、治験者の9割超において予防の有効性が暫定的に証明されたと発表した。バイデン氏は声明で「素晴らしいニュース」とした上で、ワクチンが全米に普及するまでにはまだ数カ月かかり、その間の有効な予防手段として、マスク着用などの重要性を強調した。諮問会議立ち上げの記者会見後半でも、「選挙は終わった。党派対立や相手を中傷するレトリックは脇に置く時だ。マスク着用や社会的距離の確保といった公衆衛生を守るための基本的な責任を、政治的な議論の対象とすることをやめる時だ」などと、繰り返しマスク着用を呼び掛けた。
(磯部真一)
(米国)
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