トルドー首相、田辺三菱製薬カナダ子会社へのワクチン開発助成を発表
(カナダ)
米州課
2020年10月30日
カナダのジャスティン・トルドー首相は10月23日、田辺三菱製薬のカナダ子会社メディカゴ(本社:ケベック州)が実施する新型コロナウイルスのワクチン開発に対し、戦略的イノベーション基金(SIF)を通じて1億7,300万カナダ・ドル(約134億9,400万円、Cドル、1Cドル=約78円)を助成することを発表した。また、カナダ政府がメディカゴから最大7,600万回分のワクチン供給を受ける契約を締結したことも明らかにした。
メディカゴは、植物由来のウイルス様粒子(VLP)ワクチンの開発を行っており、2020年7月から第1相臨床試験を行っている。11月上旬からは第2相臨床試験を開始し、12月からは第3相臨床試験を開始する予定だ。SIFはカナダでのイノベーション促進を目的に、カナダ政府が1,000万Cドル以上の大規模プロジェクトに対し助成する基金で、これまでに69事業に対し23億Cドルの助成を決定している(8月26日時点)。メディカゴは助成金をワクチンの開発とともにワクチン製造施設の建設に活用する。
ワクチンの確保について、カナダ政府はこれまでにモデルナ(米)、ファイザー(米)、ノババックス(米)などの製薬企業6社との間でワクチン供給契約を締結してきたが、カナダ企業との契約はメディカゴが初めて。同社を含め7社との間で3億5,800万回分のワクチンを確保することになる。
トルドー首相は「経済を安全に再開させていく中で、国民を新型コロナウイルスから保護するために必要なことは何でも行っていく。信頼性の高いカナダ製ワクチンを開発するために、メディカゴなどのバイオ企業を支援している」と述べた。
(中溝丘)
(カナダ)
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