現職のコンデ大統領が3選、国内で抗議行動が激化

(ギニア)

アビジャン発

2020年10月27日

西アフリカのギニアで10月18日に大統領選挙が実施され、現職のアルファ・コンデ大統領が11人のライバル候補を大差で抑え3選を果たした。抗議行動の激化で国内情勢の緊張が高まる中、国家独立選挙委員会(CENI)が24日に発表した暫定開票結果によると、投票率は78.9%で、ギニア人民連合(RPG)のコンデ大統領の得票率が59.5%となり、有力候補とみられていた次点のギニア民主勢力連合(UFDG)党首のセル・ダレン・ディアロ元首相(33.5%)を大きく引き離し、過半数を超えたことから1回目の投票で当選が決まった。

投票は、秩序の混乱も予想されたことから厳戒態勢の中で実施された。憲法院は近く、選挙結果について認定を行う。選挙監視のためオブサーバーを派遣した西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)は今回の選挙について、投票プロセスに一部技術的不備などがみられたとしながらも、投票自体は大きな混乱もなく実施された、と評価している。

一方、投票の翌日に公式開票結果の発表を待たずに「勝利」を宣言していたディアロ氏は、不正選挙だとして開票結果の受け入れを拒否した。それ以降、各地で抗議デモが激化し、治安部隊との衝突でこれまでに少なくとも死者10人と、多数の負傷者が報告されている(「AFP通信」10月25日)。

ギニアでは2020年3月に憲法が改正され、大統領の任期が従来の5年2期から6年2期となったが、野党は、コンデ大統領が憲法で規定される3選禁止に違反して、3選立候補を強行したとして反発し、投票前から各地で抗議運動が広がった。コンデ大統領は開票結果の発表を前に、当選の暁には「挙国一致内閣」を組織すると表明した。国連をはじめとする国際社会は事態の悪化を懸念し、混乱の回避に向け全ての勢力に対し沈静化と対話を呼び掛けている。国連、アフリカ連合(AU)、ECOWASで構成される国際調停ミッションが25日からギニアを訪問している(「ラジオ・フランス・アンテルナショナル」10月25日)。

1958年の独立以来、ギニアでは独裁政権やクーデターが続いてきた。コンデ氏は、2010年に実施された初の民主的な大統領選挙で当選した。ディアロ氏は、事実上の一騎打ちとなった2010年と2015年の大統領選でもコンデ氏に敗れている。

(渡辺久美子)

(ギニア)

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