国内・国際線の商用便の限定的再開を発表、長距離バス・鉄道も
(アルゼンチン)
ブエノスアイレス発
2020年10月19日
アルゼンチン政府は10月15日付運輸省決議第221/2020号を公布し、国内線と国際線の商用便の運航再開を発表し、即日施行した。同決議によると、空港や商用便の再開に当たっては、保健省が定める衛生プロトコル(手順書)を順守しなければならない。さらに、乗客は政府発給の外出許可証(Certificado Único Habilitante para Circulación)を保有する必要がある。マリオ・メオニ運輸相は14日の記者会見で、「この初期段階において商用便を利用できるのは、必要不可欠とされる業種に従事する者または治療を受けるために移動する必要がある者に限られる」と説明した。商用便の再開とともに、運輸相は国内の長距離バスと鉄道の運行再開も発表した。
アルゼンチンでは、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、3月20日に外出禁止措置を適用すると同時に、商用便の運航も規制していた。今回の決議により商用便は再開されたが、外出禁止措置は10月25日まで延長されたため()、非居住外国人の入国は引き続き禁じられている。
メオニ運輸相によると、衛生プロトコルは空港への入場制限や体温確認、3層マスク着用の義務付け、機内での飲食サービスを行わないなど、アルゼンチン全土で統一されるよう準備しているが、国内各州への出入りについては、各州知事が感染拡大状況によって取り決めるとしている。記者会見に同席したマティアス・ラメンス観光・スポーツ相は「現時点では、観光目的の商用便の利用は許可されていないものの、近いうちに観光も再開したい」とし、「約30日後をめどに、ウルグアイ、ブラジル、パラグアイ、チリ、ボリビアとの商用便を再開したい」とも語った。
10月14日時点の保健省報告によると、全国の累計感染者数は93万1,967人。1日当たりの感染者数はここ7日間で各日1万3,000人以上が確認されており、世界5位の感染国となった。累計死者数は2万4,921人となっている。
(山木シルビア)
(アルゼンチン)
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