新型コロナ感染再拡大で部分的ロックダウン発表
(オランダ)
アムステルダム発
2020年10月16日
オランダ政府は10月13日、新型コロナウイルスの感染再拡大を受け、部分的ロックダウン(partial lockdown)を行うと発表した。9月28日にも政府は感染防止措置を発表していたが、国内の感染危険レベル(注)が「深刻」から「非常に深刻」に急速に向かっていることから、さらなる追加措置を導入することとなった。今回の措置は10月14日から少なくとも2週間実施し、10月27日までにその効果を評価して以後の措置を検討する。
主な内容は以下のとおり。
- ほかに選択肢がない場合以外は、在宅勤務を行う。
- レストラン、カフェなどの全ての飲食店を閉鎖する。ただし、テークアウトなどは除く。
- 小売店の営業は午後8時までとする。ただし、スーパーマーケットは午後8時以降の営業も許可する。
- アルコールの販売および配達を午後8時から午前7時まで禁止する。
- イベントの開催を禁止する。ただし、食料市場や見本市・会議、映画館・劇場、試合などは除く。
- 小売業界では感染拡大防止のプロトコル(手順、ルールなど)の厳格な順守の合意がなされているが、過度の混雑や基本ルールが従われていない場合、店舗の閉鎖(一部を含む)など措置を強化する。
- 博物館、図書館などの施設は、時間ごとに予約した上で訪問する。
その他、屋内の収容人数は最大30人、屋内外を問わず集団行動の人数は最大4人(同一世帯を除く)とし、1日の自宅訪問客数は最大3人とする。マスク着用は従来の公共交通機関内に加え、公共施設内でも着用することを盛り込んだ。
オランダ産業経営者連盟(VNO-NCW)などは同日、今回の追加措置は感染拡大防止のためにやむを得ないが、繰り返し打撃を受けているセクターに大きな犠牲を強いることにもなり、事業者が借り入れなしに事業を停止できる新たな支援スキーム、家賃などの固定費の補助スキーム(TVL)の対象分野の拡大などの追加支援を求めるとし、政府と協議すると発表した。
(注)政府は今回、感染拡大の状況に応じた対策、対応などをまとめた「ロードマップ」を発表。国内の感染危険レベルを「警戒」(1週間の10万人当たりの新規感染者数:50人以下)、「心配」(同50人超~150人以下)、「深刻」(同150人超~250人以下)、「非常に深刻」(同250人超)の4つに分類。
(高橋由篤)
(オランダ)
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