タタルスタン大手2社、カザフスタンに自動車部品・タイヤ工場建設へ
(カザフスタン、ロシア)
タシケント発
2020年10月09日
カザフスタンのアスカル・マミン首相は9月27日、北部のコスタナイ市でロシア・タタルスタン共和国(注)のルスタム・ミン二ハノフ大統領と会談し、カザフスタンでの自動車部品とタイヤ製造に関する共同事業について合意した(カザフスタン首相公式ウェブサイト9月27日)。
ロシア商用車トラック組み立て最大手カマズ(本社:タタルスタン東部ナベレジニエチェルヌイ)は、コスタナイ市の工業団地に部品鋳造工場と駆動部品生産工場を建設する。カマズのプレスリリースによると、建設予定工場の総面積は2万8,000平方メートル、投資額は1,507億テンゲ(約377億円、1テンゲ=約0.25円)。年間4万ユニットのシリンダーブロック、シリンダーヘッドといった車軸関連の鋳造部品と、年間8万6,000ユニットのデファレンシャルギア(差動歯車)部品を製造する。部品はカマズの最新車種「K5」向けで、大半はロシアへ輸出される。2023年の稼働を目指す。なお、カマズは2005年に、同じくカザフスタン北部のコクシェタウ市でカマズ・エンジニアリング(ロシア、カザフスタンの合弁)を設立し、カザフスタン国内市場向けにトラックと特殊車両を組み立てている。
タタルスタンの石油化学大手タトネフチは、カザフスタン中部のカラガンダ州サラン市にタイヤ工場を建設する。タトネフチは、ロシア最大タイヤメーカーのニジ二カムスク・シノを傘下に持つ。今回、カザフスタン地場の自動車生産・販売企業アルル・グループと合弁企業を設立し、乗用・小型トラック用タイヤを年間300万本、大型トラック・バス用タイヤを年間50万本生産する。製品はカザフスタン国内のほか、特に中央アジアを中心にCIS諸国に出荷される。投資額は1,110億テンゲで、2022年の稼働を予定している。
一連の投資事業により、カザフスタン国内で2,000人以上の雇用創出と、自動車部品の製造現地化促進が期待されている。
(注)モスクワから東へ800キロ。ロシア連邦地域管轄区分の1つ、沿ボルガ連邦管区の中央に位置する共和国。ロシア連邦と同権の連邦構成主体。
(増島繁延)
(カザフスタン、ロシア)
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