フロリダ州など激戦州でバイデン氏リード、米大統領選世論調査
(米国)
米州課
2020年10月08日
米国コネチカット州のキニピアク大学は10月7日、大統領選挙での激戦が予想されるフロリダ(以下、FL)、アイオワ(以下、IA)、ペンシルベニア(以下、PA)の各州で実施した世論調査(注1)結果を発表した。同調査結果によれば、大統領選の直接対決を想定した設問で、3州とも前副大統領ジョー・バイデン氏がドナルド・トランプ大統領をリードした(FL州:バイデン氏51%、トランプ氏40%、IA州:バイデン氏50%、トランプ氏45%、PA州:バイデン氏54%、トランプ氏41%)。
最近のエマーソン大学およびモンマス大学の世論調査でも、ペンシルベニア州でバイデン氏がリードした()。
9月29日に実施された第1回の大統領候補者のディベートについて両氏の印象を聞いたところ、トランプ氏に対する好感度が下がったという回答が各州で4割を超え、好感度が上がったという回答は1桁だった(注2)。バイデン氏に対する好感度が上がったという回答は各州で2割を超え、好感度が下がったという回答は20%前後になった(注3)。
最高裁判事の任命で意見が分かれる
9月に亡くなったルース・ベイダー・ギンズバーグ最高裁判事の後任者の任命については、大統領選挙後に新大統領が任命すべきという割合がFL州で54%、IA州で50%、PA州で54%と半数を占めた。トランプ大統領が任命すべきとする割合は、各州で順に41%、44%、44%だった。
トランプ大統領が指名したエイミー・コニー・バレット氏を後任として確定すべきか否かという問いに対しては、「確定すべき」の割合がFL州で42%、IA州で44%、PA州で42%で、「確定すべきでない」の割合が各州で順に46%、43%、45%と意見が分かれる結果となった。
また、医療保険(オバマケア)については、「存続を望む」とする割合がFL州で56%、IA州で53%、PA州で57%と過半だった。人工妊娠中絶に関するロー・アンド・ウェイド裁判(注4)の判決を支持するかどうか聞いたところ、「支持する」がFL州で68%、IA州で61%、PA州で64%と、「支持しない」(順に23%、30%、28%)を大きく上回った。なお、保守派のバレット氏が最高裁判事に任命された場合、オバマケアの存続などに影響を与えるとみられる。
(注1)調査実施時期は、10月1~5日。対象者は、フロリダ州の有権者1,256人、アイオワ州の有権者1,205人、ペンシルベニア州の有権者1,211人。トランプ大統領の新型コロナウイルス感染は、10月1日に発表されたため、本調査ではそれに関する質問は設定されていない。
(注2)好感度が上がった:フロリダ州9%、アイオワ州9%、ペンシルベニア州7%。好感度が下がった:44%、45%、46%。
(注3)好感度が上がった:フロリダ州29%、アイオワ州26%、ペンシルベニア州27%。好感度が下がった:19%、22%、19%。
(注4)1973年に、それまで米国で違法とされていた妊娠中絶を女性の権利と認め,人工妊娠中絶を不当に規制する州法を違憲とする、連邦最高裁判所の判決が下された裁判。
(松岡智恵子)
(米国)
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