IMDデジタル競争力ランキング、スイス6位、日本は27位へ後退

(世界、スイス)

ジュネーブ発

2020年10月08日

スイスの国際経営開発研究所(IMD)は9月26日、世界デジタル競争力ランキング2020外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表し、スイスは前年より順位を1つ下げ6位になった。本ランキングは、63カ国・地域を対象にデジタル技術の利活用能力を、(1)知識:デジタル技術の習得やそれを支えるインフラ整備状況など、(2)技術:デジタル技術の進展、(3)将来への準備度合い:デジタル変革に対する社会の受容性、の3点から評価するもので、今回は4回目となる。

首位から5位までは、米国、シンガポール、デンマーク、スウェーデン、香港だった。米国は、科学技術人材の集積や教育と研究におけるロボット活用が評価された。また、グローバリゼーションや電子政府に向けた姿勢とブラック ジャック 賭け 方システムの統合が評価されたデンマーク(3位)と、選挙や商取引でのデジタル活用といった社会の受容性が評価された韓国(8位)は前年からランクを上げた。

スイスは、人材の優秀さが評価された(2位)一方、女性研究者の活用状況や研究成果の発表がそれぞれ34位と38位になり、知識部門が3位、また、ハイテク輸出の落ち込みにより技術部門が11位となり、総合で6位だった。

これに対して、日本は前年から順位を4つ落とし27位となった。日本は知識部門(22位)の高等教育の生徒当たり教師数(1位)、技術部門(26位)のモバイルブロードバンド利用者数(1位)、将来への準備度部門(26位)のソフトウエア著作保護(2位)で高い評価を得た一方で、知識部門のビッグデータ活用、将来への準備度部門のデジタル人材のグローバル化および企業の変化迅速性は調査対象国の中で最下位だった。IMDは、長期的・組織横断的なデータ利活用の程度により、「ポストコロナ社会」は経済回復が早いものと穏やかなものに二極化した「K型回復」が起こると予想するが、デジタル化は一朝一夕にはならず、官民における長期戦略と組織内能力から生み出されるもので、エコシステムの形成が不可欠、と指摘している。

なお、IMDが2020年6月に発表した世界競争力ランキング2020外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますではスイスは3位となっている(日本は34位)。

(和田恭)

(世界、スイス)

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