リトアニア議会選挙、与党が議席を大幅に減らし政権交代へ

(リトアニア)

ワルシャワ発

2020年10月30日

リトアニアで4年に1度の議会選挙が10月11日に実施されたが、当選者が確定しない選挙区があったため、25日に決選投票が実施された。今回の選挙では、定数141に対して1,754人が立候補した。投票の結果、与党の「農民・グリーン同盟」は議席数を大きく減らし、32議席の獲得にとどまった。一方、野党で保守政党の「祖国同盟=リトアニア・キリスト教民主党(TS-LKD)」が50議席を確保して第1党になった(添付資料表参照)。

TS-LKDと自由主義政党の「リベラルムーブメント」および「自由党」の3党は10月26日、連立を組むことを発表しており、3党を合わせた議席数は74議席となる。

今回の議会選挙では、新型コロナウイルス感染症の第2波がリトアニアで拡大する中で実施されたこともあり、中央選挙管理委員会は新型コロナウイルスの感染者または感染の疑いがある有権者に対しては、自宅投票制度を準備した。また、期日前投票の手段の1つとして、ドライブスルー方式の投票所を設置し、感染者との濃厚接触などにより新型コロナウイルス検査で陽性反応は出ていないものの自主隔離中の有権者が、自家用車などで投票を行った。

なお、リトアニアの議会選挙は小選挙区(71議席)と比例代表制(70議席)の2つの方式による選挙方法をとっており、小選挙区においては1回目の投票では投票率に応じて、当選に必要な得票率があるため、当選者が確定しない選挙区が多く、その2週間後に決選投票として2回目の投票が実施される仕組みだ。10月11日の投票率は47.80%で、2回目となる25日の投票率は38.96%だった。

(吉戸翼)

(リトアニア)

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