11月から日本国籍者のロシア入国が可能に
(ロシア)
モスクワ発
2020年10月16日
日本国籍者のロシア入国が11月以降、再び可能となる。搭乗前72時間以内に取得した新型コロナウイルス検査の陰性証明書の所持と、到着後14日間の自己隔離義務付けは従来どおり。これまで日本人駐在員の赴任やロシアへの帰還に支障が生じていた、在ロシア日系企業からは朗報との声が上がっている。
ミハイル・ミシュスチン首相が10月14日、日本およびキューバ、セルビア国民を対象に航空機によるロシアへの入国を許可する政府指示第2649-r号に署名した。本政府指示に施行日は明記されていないが、モスクワ・ジャパンクラブがロシアの当局に確認したところ、11月1日に適用するとの回答があった。これに合わせて11月1日以降、在日ロシア大使館における新規の査証申請受付が再開される見込み。
今回の措置は、対象国が政府の定める入国許可条件(a.直近2週間の感染者数が10万人当たり40人未満であること、b.直近2週間の1日当たりの感染者増加率が1%未満であること、c.実効再生産率(1人の感染者が他人を感染させる数が1未満であること)を満たすことを受けたもの。これまでは「高度熟練専門家(HQS)」の労働許可を取得している者に限り、関係当局の許可を得た上での1回限りの入国が認められていた。
在モスクワ日系企業からは歓迎の声が出ている。「現有工場での生産活動と並行して工場新設中で、日本本社からの機械据え付けや技術指導を行う専門家の派遣が急務。今回の措置は状況改善に向けて期待が持てる」(機械メーカー)、「過去の経験からビジネス拡大は本社からの出張者が増えないと進まないことは明らか。経営幹部も含めたロシア訪問について本社と調整している」(大手商社)など、国境開放を機にビジネスの一層の拡大に意欲をみせている。
日本とロシア間のフライトは、11月1日から東京~モスクワ便が週2便、東京~ウラジオストク便が週1便就航する予定だ(添付資料表参照)。運航する航空会社は未定。
(梅津哲也)
(ロシア)
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