ブラック ジャック カード ゲーム、原油価格低迷を予測
(世界)
国際経済課
2020年10月26日
世界銀行は10月22日、世界一次産品市場見通しを発表した。新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)による需要縮小を受け、燃料価格は2021年もパンデミック以前に比べ低い水準にとどまる。その一方で、金属価格は下落が緩やかで、既にパンデミック以前の水準に回復した。農産物価格はパンデミックによる影響は比較的軽度だったものの、世界的な所得の減少や食糧流通の制限によって食糧危機のリスクにさらされる人々の数が増加している。
世界銀行は、原油消費の緩やかな回復と、OPECプラスによる減産の段階的緩和を踏まえ、原油価格(年平均)を、2020年は1バレル当たり41ドル、2021年は44ドルと予測した。原油価格は2020年から2021年にかけてやや上昇するものの、依然として消費が低迷することから、2019年(61ドル)に比べて低い状態が続く。また世界銀行は、原油消費量は2023年まで、パンデミック以前の水準を下回る、と指摘している。今後の価格下押しリスクとしては、パンデミック第2波によるロックダウンや経済成長の弱まり、旅行の減少を示した。他方、価格上昇リスクとしては、OPECプラスによる協調減産の強化や米国の減産を挙げた。
原油に加え、天然ガスや石炭を含めた燃料価格は、2020年に前年比32.7%減と急落するが、2021年には9.3%増と大幅に回復する、としている。しかし、パンデミック第2波がもたらすロックダウンや消費縮小、ワクチンの開発や配布が遅れることなどが価格下押し圧力になる、と指摘した。
金属・鉱物価格は、2020年の1.1%減から、2021年には2.1%増と回復する見込みだ。新型コロナによる各種制限の緩和と景気刺激策が導入されている中国をはじめとした、世界経済の回復が背景にある。
農産物価格は、2020年の2.8%増から2021年は1.4%増となる見込みだ。農産物価格は緩やかな上昇が続くが、世界銀行は、所得減少に加えサプライチェーンの混乱や国境封鎖による食糧流通と労働者の移動が制限されていることを挙げ、新興・途上国における食糧不足に懸念を示した。
世界銀行の公正成長・金融・制度担当副総裁代理兼開発見通し局長のコーゼ氏は「新型コロナの打撃(の程度)は商品によって異なり、燃料市場における影響が続く可能性がある」と述べた。さらに、一次産品価格の下落が長期にわたる場合は、特に原油を輸出する新興・途上国において、原油収入への依存を減らすための政策をより積極的に実施する必要がある、と指摘した。
(柏瀬あすか)
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