米フォード、オンタリオ州でのEV生産に20億カナダ・ドル投資へ

(カナダ、米国)

トロント発

2020年10月01日

米国自動車大手フォード・モーターは9月28日、カナダ最大の民間労働組合ユニフォーとの合意として、オンタリオ州のオークビル工場の電気自動車(EV)生産設備に18億カナダ・ドル(約1,422億円、Cドル、1Cドル=約79円)を投資すると発表した。ユニフォー側の発表によると、今回の合意には、オークビル工場でEV5車種を生産するための設備転換のほか、同州のウィンザー工場での新たなエンジン生産による新規雇用創出が含まれている。投資総額は19億5,000Cドルに上る。

同社は2023年にオークビル工場でのSUV(スポーツ用多目的車)2車種、フォード・エッジとリンカーン・ノーチラスの生産を終了することを決めていたが、今回の交渉妥結により、同工場での生産は継続することとなった。EV生産は2024年から開始され、2028年には5車種の生産ラインが整備される見込み。

オンタリオ州には、フォードのほか、ゼネラル・モーターズ(GM)、フィアットクライスラー・オートモービルズ(FCA)、トヨタ、ホンダの生産拠点があるが、ここ数年、GMのオシャワ工場の閉鎖(関連ブラック ジャック ルール)、フォードのオークビル工場でのレイオフ()など、自動車業界ではリストラの傾向が続いていた。今回の合意は、車社会の未来のかたちとしてのCASE(C:相互通信、A:自動運転、S:シェアリング、E:電動化)のうち、EVの開発・生産に関する投資がこれまで一切行われてこなかったカナダにとって、大きな方向転換となる。ユニフォーのジェリー・ディアス全国委員長は記者会見で「今日は歴史的な日だ。われわれは短期的な協議だけでなく、自動車産業の長期的な足場を固める話し合いを行うことができた」と興奮気味に語った。ディアス全国委員長は次の目標としてFCAと交渉を行っていくとした。

(江崎江里子)

(カナダ、米国)

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