ロックダウンを段階的に解除、日本を「グリーン国」に
(イスラエル、日本)
テルアビブ発
2020年10月19日
イスラエル政府は10月15日、新型コロナウイルスの感染状況が好転したとして、9月18日から続けてきたロックダウンの段階的解除を閣議決定し、10月18日から適用した。14日の閣議で段階的緩和措置案が議論され、各段階の内容は今後の状況を精査した上であらためて決定するとして、第1段階として以下の項目を決定した。なお、ロックダウンを緩和して第1段階に移行するための条件は、1日当たりの新規感染者が平均2,000人以下で、R値(実効再生産数、注)が0.8以下とされていた。
- 接客を伴わない民間セクターの営業を許可
- レストランなどからのテークアウトを許可
- 保健省のガイドラインに基づいた0~6歳児の通所施設、保育園などの運営を許可
- 自然公園、国立公園、ビーチの開放
- 保健省など関係省庁のガイドラインに基づき、嘆きの壁、聖墳墓教会での祈りの再開、神殿の丘の開放
- 自宅から1キロ以内の外出制限を解除
- 他の人の自宅などへの訪問制限を解除するが、集会に関する人数の制限は継続
- 集会は屋内10人以内、屋外20人以内に限り許可
12日付の現地紙によると、今回のロックダウン緩和に至る感染状況の好転の背景として、国内のアラブ人コミュニティーの感染状況の改善があった。8~9月にかけて、高い感染率と重症化率から、アラブ系住民が多く居住する約30の都市が最も制限の厳しい「レッド都市」に指定していたが、ロックダウンを経て現在では4都市まで減少している。宗教指導者イマームを中心に、結婚式や宗教行事などの中止や延期を含めて、政府の求める行動制限の順守を呼び掛け、コミュニティー全体の感染対策を行ったことが感染状況の改善に貢献したとしている。
また、保健省は15日、各国の感染状況に応じたイスラエルへの渡航制限について、日本を「グリーン国」に新たに指定すると発表した。日本からイスラエルへの渡航では、14日間の自己隔離義務が免除されることとなる(ただし、外国人の入国を原則禁止する措置は依然継続)。日本のほかには韓国を「グリーン国」に指定する一方、ブルガリア、英国、アイルランドは感染状況が悪化したとして、再度「レッド国」に指定した。
(注)1人の感染者が何人に感染させるかを表す数値。1.0超は「新規感染者数増加」、1.0は「同横ばい」、1.0未満は「同減少」を示す。
(吉田暢)
(イスラエル、日本)
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