移行期間後に向け、英国版REACHのガイダンス公開

(英国)

ロンドン発

2020年09月08日

英国政府は9月1日、EU離脱の移行期間終了後の2021年1月1日から適用する英国版REACH規則(UK REACH)についてのガイダンス外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。同規則は、2018年に採択されたEU離脱法により、EU規則であるREACH規則(EU REACH)を、目的と原則を維持したまま英国法として導入する。

ガイダンスでは、EUでの化学物質の使用、製造、販売、輸入に対するEU REACHへの準拠方法や、移行期間終了後のUK REACH登録に向けた準備方法などを示した。

英国に拠点を置く企業がEU REACHに登録していた化学物質に関しては、2021年4月30日までに基本的なブラック ジャック コツを安全衛生庁(HSE)に提供することで、UK REACHでも法的認知が継続される(グランドファザリング)。なお、企業は登録物質のトン数に応じて定められた期間内に手続きを完了させる必要がある(添付資料表参照)。一連の手続きを踏むことで、英国において当該化学物質の製造、販売、輸入などを継続できる。

現在、自社でEU REACHに登録しておらず、欧州経済領域(EEA)(注)のEU REACH登録サプライヤーから化学物質を輸入している英国の川下ユーザーは、同物質がUK REACHに登録されていることを確実にする必要がある。2021年1月1日以降も当面は現状どおり輸入は認められるものの、EEAからの輸入を継続する意向を、「川下ユーザーによる輸入通知(DUIN:Downstream User Import Notification)」を用いて2021年10月27日までにHSEに通知、2021年10月28日以降に、登録物質のトン数に応じて定められた期間内に新たな登録が必要となる。もしくは、EEAのサプライヤーがUK REACHに基づき、英国で唯一の代理人(OR)を任命する、調達元を英国で登録されたサプライヤーに変更するなどの選択肢がある。

他方、英国を拠点とするEU REACHの登録者は、引き続きEEAに輸出するために、2021年1月1日より前に、EEAを拠点とする企業に登録を移管する、または、同地域を拠点とする輸入業者がEU REACHに登録するよう支援するといった対応が必要になる。それに伴い、欧州化学品庁(ECHA)は、同登録に関するガイドライン外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを公表している。ただし、北アイルランドでは2021年1月1日以降もEU REACHが適用されるため、EEAとの化学品の輸出入手続きに変更はない。

また、UK REACHのオンラインシステム「Comply with UK REACH」を2021年1月1日から新たに導入する。同システムでは、グランドファザリング、DUINや新たな物質登録の提出などが可能になるとしている。

(注)EU加盟27カ国とノルウェー、リヒテンシュタイン、アイスランド

(尾崎翔太)

(英国)

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