ドバイ万博、デジタル・フィジカル双方のコンテンツ拡充を模索

(アラブ首長国連邦)

ドバイ発

2020年09月03日

2020年ドバイ国際博覧会(以下、ドバイ万博、新会期:2021年10月1日~2022年3月31日)を主催するドバイ万博公社(以下、公社)は8月24日から27日にかけて、第5回参加国会議をオンラインで開催外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。以前はドバイ市内のホテルなどで各国関係者を集めて開催してきたが(2020年1月6日記事参照)、今回は世界的な新型コロナウイルス感染拡大による影響を受けて、初めてリモート参加形式で実施。万博会場建設の進捗状況や、各国パビリオンの工事スケジュール、会期中行われるイベントやマーケティング、メディア関連など各分野の準備について議論を行った。

会議の中で公社は「物理的な距離の壁を越え、ドバイ万博をより体験できるアプローチ」として、パブリックエリアやイベント会場、各パビリオン内で行われるイベントを3Dビューの仮想万博会場を通して視聴する「バーチャル・エキスポ」の構想を発表した。実際に会場内で行われるイベントをライブもしくはストリーミングで発信し、世界の人々へ届ける計画だ。公社の発表によると、同プログラムはドバイ万博の開催初日の2021年10月1日に開始となり、無料で公開される予定。コンテンツの充実化を図る一方で、「公社や各参加国が来場者へ届ける体験は完全にデジタル化できるものではない」とも述べ、今回のアプローチはデジタル、フィジカルの双方でより多くの人々に万博を体験してもらうことを目的としていると公社担当者は話した。

リーム・アル・ハシーミー公社総裁兼UAE国際協力相は会議の閉会あいさつで、ドバイ万博の来場者数の予想が「従前の2,500万人から変更はない」ことを明らかにした。一方で、「全てのシナリオを想定することはわれわれの義務であり、どのような状況であっても、最善のかたちでの開催を目指す」と述べ、「ポスト・コロナ」を念頭に、物理的な開催を大前提としつつも、臨機応変に準備を進めていく構えを見せた。

(安井梓、田辺直紀)

(アラブ首長国連邦)

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