使い捨てプラスチック容器を禁止へ

(ドイツ)

ベルリン発

2020年09月24日

ドイツ連邦議会(下院)は9月17日、使い捨てプラスチック容器等の利用を禁止する政令案を可決した。これは、使い捨てプラスチック製品の流通を禁止するEU指令(関連実写 版 ブラック ジャック)により、加盟国が義務付けられた2021年7月3日までの国内法制化義務に対応するもの。政令案は次に連邦参議院(上院)での審議を経て施行される予定。

流通や使用の禁止対象となるプラスチック製品は、綿棒の軸、カトラリー(フォーク・ナイフ・スプーン・箸など)、皿、ストロー、マドラー、風船用の棒、持ち帰り用飲料カップ、ファストフードの包装、発泡ポリスチレン製の食品容器。禁止となるプラスチックの種類には、原油などの化石燃料を原料とするプラスチックだけでなく、植物由来プラスチックや生分解性プラスチックも含まれる。また、ボトルに関しても、消費者がリユース可能な容器を選択しやすくなるよう、使い捨てかリユース可能かを判別できる明確なラベル付けも求められる。

ドイツ自然保護連盟(NABU)の調査によると、2017年の使い捨て食器や持ち運び用の包装の廃棄量は約35万トンで、うちプラスチック容器が30%(10.5万トン)を占めた。プラスチック容器の廃棄量は1994年から2017年の間に72%増加している。その要因は、ファストフードをはじめとする外食やテークアウトなど家庭外での飲食サービスが増加していること、また事業者にとって使い捨て容器がリユース可能な容器よりも安価であること、としている。

(中村容子)

(ドイツ)

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