厳格な自宅待機措置を通達、通勤も規制対象に
(ミャンマー)
ヤンゴン発
2020年09月25日
ミャンマー保健・スポーツ省は9月20日、新型コロナウイルスの感染拡大防止を目的にヤンゴン管区内のほぼ全郡区に対し、新たな自宅待機措置を通達し、21日から施行した。これまでの自宅待機措置下で認めていた通勤を原則禁止とし、公務員や金融業、食品事業(飲食店は対象外)、肉・魚の冷蔵庫業、医薬品および医療機器製造・販売業、飲料水事業、日用品・衛生用品を生産する工場など一部の業種の従業員のみ通勤を認めた。通勤できる業種が限定的で、社会・経済などさまざまな面に影響を及ぼしたため、22日には以下の業種について、追加で通勤規制を緩和した。
- 在外ミャンマー人の帰国を目的とした救援航空便、航空貨物、チャーター便に関わる地上業務を含む航空事業、機体給油・整備事業、機内食事業、輸出入に係る国際航空輸送・通関業
- ヤンゴン港国際ターミナルでの国際海上貨物船用の民間港湾サービス業、海運会社事務所、国際輸送・通関業、コンテナ運搬と港湾の輸出入貨物運搬のためのトラック・船舶業、インランドコンテナデポおよびドライポート事業
- 郵便事業、固定電話・携帯電話サービス事業、インターネットサービス通信事業(店舗での通信機器などの販売は対象外)、通信電波塔およびファイバー回線サービス事業
国内最大の雇用を抱える縫製業にも大きな打撃
20日の通達では、委託加工形態のCMP(Cutting, Making and Packing)企業に対して、9月24日から10月7日までの通勤規制期間を明示した。対象には国内最大の雇用を抱える縫製業も含まれ、特に日本向けの冬物商品の出荷を控える縫製業にとっての影響は大きく、賃金補償や今後の操業に対する懸念が広がっている。政府は休業中の賃金補償については発表していないが、ミャンマー商工会議所連盟(UMFCCI)によると、休業中の賃金は最低賃金の40%が、各工場が加盟している社会保障制度から支給される予定だという。未加入者への補償は決定されていない。
ミャンマーに所在する日本や中国、韓国などの縫製協会はミャンマー縫製業者協会(MGMA)とともに、通勤規制の緩和など政府への意見書の準備に着手している。
(クントゥーレイン)
(ミャンマー)
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