パラコートなど5物質の食品からの検出を禁じる告示案を食品委員会が承認
(タイ)
バンコク発
2020年09月15日
農薬をめぐっては、パラコートやクロルピリホスなどの5物質の食品からの検出を新たに禁止する動きが出ていたところ(関連ブラック ジャック カード)、8月17日の食品委員会において、これら5物質を「第4種有害物質」に指定し、食品からの検出を禁止する告示案が承認された(タイ保健省のリリースおよび日本語仮訳(464KB)参照)。また、同リリースによると、民間企業などとの会議も行われ、検出限界(Limit of Detection:LOD)を設けることについて合意したほか、当該告示案の施行予定は2021年6月1日とされている。
食品からの検出を禁止する告示案については、当初の期限だった2020年6月15日を、7月18日まで延長して、意見公募がされていた。意見公募時の案には、前述のLODや具体的な施行予定日は含まれていなかった。
LODの具体的な数値については、タイ保健省のリリースには含まれていないが、市民団体のタイ農薬警告ネットワーク(THAI-PAN)のSNSなどによると、前述の会議で以下の数値が示されたとしている。
○パラコート LOD
- 生鮮果樹および野菜:0.005mg/kg
- 穀物および豆類:0.02mg/kg
- 肉、牛乳、卵:0.005mg/kg
○クロルピリホス、クロルピリホス-メチル LOD
- 生鮮果樹および野菜:0.005mg/kg
- 穀物および豆類:0.01mg/kg
- 肉、牛乳、卵:0.005mg/kg
食品委員会の承認を踏まえ、政府内部手続き、告示の公布へと手続きは移ることとなるが、9月11日現在、官報に告示は掲載されていない。パラコートやクロルピリホスといった農薬は、日本でも一般的に使われており、日本産食品に関係する事業者からも今後の展開を懸念する声が寄せられている。
(福田かおる)
(タイ)
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