廃棄物行動計画を発表、使い捨てのプラスチックとカップ対策も
(アイルランド)
欧州ロシアCIS課
2020年09月16日
アイルランドのエイモン・ライアン気候変動対策・通信ネットワーク・運輸相は9月4日、循環経済に向けた廃棄物に関する行動計画「アイルランド国家廃棄物政策2020-2025」を発表した。同計画における主な方針は以下のとおり。
- 「廃棄物の処分・処理」から「原材料や製品の長期的使用」に重点。廃棄物を抑制し、再使用を支援。
- 使い捨て製品の生産者・販売者が、上市(市場に投入)する製品の環境負荷に対する責任を負担。
- (再生材料の積極的な使用など)持続可能な経済モデルの支援。
- 地方自治体の役割強化など、廃棄物セクターのための強固な体制づくりを支援。
使い捨てプラ、使い捨てカップ対策も打ち出す
同計画には、2030年までに食品廃棄物を半減、ペットボトルや缶などのデポジット制度導入などが盛り込まれた。
また、EUの指令(2019年5月22日記事参照)を受け、特定使い捨てプラスチック製品の使用禁止も含まれた。2021年7月3日から、一部の使い捨てプラスチック製品の上市を禁止する(添付資料参照)。
さらに、使い捨てカップ対策も打ち出された。同省の発表によれば、アイルランドでは1日2万2,000個もの使い捨てのコーヒーカップが処分されている。これに対応し、使い捨てカップへの課税(「ラテ税」)の導入や、繰り返し使えるカップの利用者への割引を小売業者に義務付けるなどの取り組みが検討されている。ソフトドリンク用の使い捨てカップについても、同様の対策が検討されている。
そのほかにも、公共調達における「グリーン基準」や循環経済基準の導入、リサイクル促進のため、ごみの埋め立て処理コストなどに充てられる廃棄物回収税導入、2030年までに全ての包装を再利用またはリサイクル可能にするなどの内容も含まれている。
(山田恭之)
(アイルランド)
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