物価上昇が継続し、国民生活を圧迫

(イラン)

テヘラン発

2020年09月15日

イラン統計センターは9月2日、2020年7月21日~8月20日における総合物価上昇率を前年同月比30.4%と発表した。IMFが2020年4月に発表したイランの2019年の消費者物価上昇率は41.1%だったが、2020年に入っても各月の物価上昇率は引き続き高い水準で継続している。

国民の生活に直結する住宅価格・家賃相場、自動車販売価格などの上昇が社会問題化しているが、加えて、スーパーマーケットや市場での食品・飲料の販売価格も、多少の季節変動はありつつも、前年来急激に上昇している。3桁を超える上昇率を記録している品目も多い。レストランやファーストフードでのメニュー価格も、2019年に比べて2倍~3倍に上昇しており、国民の食生活を圧迫している(添付資料表1、2参照)。

2018年からの米国による対イラン経済制裁再開、それに伴う原油輸出の激減、さらに「新型コロナ禍」もまだ続いており、経済停滞の解決の糸口がなかなか見えない状況が続いている。

(中村志信)

(イラン)

ビジネス短信 5f73473232a7ae13