「コロナ禍」のイスラエルでスタートアップのメガラウンド相次ぐ

(イスラエル)

テルアビブ発

2020年09月02日

イスラエルでは「コロナ禍」が続き、累計感染者数が8月末で11万人超、死者数は900人を超えている。ロックダウンや行動制限、外国との往来制限などにより、経済の悪化も深刻だが、スタートアップの資金調達は引き続き活発だ。8月後半からは、米国ナスダック市場への株式上場や、1億ドルを超える資金調達(メガラウンド)のニュースが相次いだ。

ナノックス・ビジョン(Nanox Vision)は8月21日、米国ナスダック市場で株式を公開し、1億6,500万ドルを調達した外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。ナノックスは2012年に創業したスタートアップで、小型軽量なX線スキャナー装置を開発・製造している。同社は株式上場までに、フォックスコン(台湾)、SKテレコム(韓国)、富士フイルムなどから計1億3,700万ドルを調達していた。

ジェイフロッグ(JFrog)は8月24日、米国ナスダック市場で1億ドルを調達する株式公開の目論見書を米国証券取引委員会に提出した外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。ジェイフロッグは2008年の設立で、ソフトウエア製品を開発・運用できるプラットフォームを開発している。

レディス・ラブズ(Redis Labs)は8月25日、シリーズFで新たにベンチャーキャピタルのティーシービー(TCV)を迎え、既存投資家と合わせて計1億ドルを調達したと発表した外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。レディス・ラブズは2011年の設立で、メモリ上で動作するオープンソースのデータベースを開発している。今回の資金調達で、評価額が10億ドルを超える「ユニコーン」の仲間入りを果たした。

現地のスタートアップ企業関連データベース、スタートアップ・ネーション・セントラル(Startup Nation Central)の算出によると、2020年のスタートアップの資金調達総額は8月末までに68億ドルとなり、前年同月時点の51億ドルに対し、約33%増加している。

(荏原昌)

(イスラエル)

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