銅を用いた除菌製品が日本で販売開始
(チリ)
サンティアゴ発
2020年09月02日
チリの主要な輸出品である銅を活用した除菌・抗菌効果を持つ製品の販売が日本で開始された(「ラス・ウルティマス・ノティシアス」紙8月28日)。同製品を開発したのは、ナノ科学を専門とした研究開発拠点を国内に持つアインテック(Aintech)で、同社の製品は新型コロナウイルスの感染拡大に伴う国内事情から、鉱業省の主導の下で、空港やバスターミナルなどの公共の施設や、医療機関の集中治療室にて利用された実績を持つ(2020年5月15日記事参照)。
日本で販売が開始されたのは、小型スプレータイプの製品である「エアーコップ(AIRCOP)」で、成分としてイソプロピルアルコールに加え、高純度の銅のナノ粒子を含有している。パソコンやスマートフォン、手すりなどの表面に吹きかけるほか、使い捨てマスクに使用することでも除菌・殺菌効果を期待できる点が大きな特徴だ。
同紙によれば、「エアーコップ」は2020年1月にアインテックが来日し、東京で開催された展示会に参加していた際の関係者とのミーティングから着想を得て開発された製品だった。そもそもチリには、風邪やインフルエンザの予防のために頻繁にマスクを使用するという日本のような習慣はほとんどなかったが、新型コロナウイルスの感染拡大が契機となり、現在では外出時に大多数の国民が日常的にマスクを着用することとなった。今後も日本、チリの両国において、使い捨てマスクへの高い需要は継続すると見込まれることから、その機能を高める「エアーコップ」の売れ行きが注目される。
(佐藤竣平)
(チリ)
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