米大統領選の激戦州ミシガンでバイデン、トランプ両候補が激しい戦い
(米国)
シカゴ発
2020年09月16日
米国大統領選挙の勝敗を左右するとみられる中西部のミシガン州を民主党大統領候補のバイデン前副大統領とトランプ大統領が相次いで訪問し、激しい選挙戦を展開した。同州では、2016年の前回選挙でトランプ大統領がクリントン候補に勝利したが、全米で最も僅差(得票率差0.23ポイント、得票数差約1万1,000票)だったことから、今回もその得票の行方が注目されている。
9月9日にミシガン州を訪問したバイデン氏は、自動車産業の中心地デトロイト近郊のゼネラルモーターズ(GM)テックセンターがあるウォレン市で、全米自動車労組(UAW)の組合員を前に、「ミシガンで作ろう、米国で作ろう(Make it in Michigan. Make it in America.)」と訴え、2019年に閉鎖されたGMのトランスミッション工場を引き合いに出し、トランプ大統領はミシガン州の仕事を守ると約束したが何らそれを果たしていないと非難した。同州では新型コロナウイルス感染拡大の影響により失業率は一時24%に達したが、バイデン氏は「『新型コロナ禍』以前からトランプ政権下でミシガン州の自動車産業の雇用は減少していた」と述べた。その上で、ブラック ジャック アプリで活動する米系企業が、米国へ製品やサービスを販売したことで上げた利益への10%の懲罰税や、国内生産のための一定の投資を行う企業への10%の税額控除などの新税制の創設を表明した。
一方のトランプ大統領は、バイデン氏が訪問した翌日の10日に、フリーランドのMBS国際空港(注)に大統領専用機エアフォースワンで降り立ち、集まった5,000人の支持者を前に「あなたたちの州でも経済再開を(Open up your state.)」と訴え、経済再開に消極的なグレッチェン・ウィトマー州知事(民主党)を批判した。ミシガン州では現在も非常事態宣言が継続され、屋外での100人を超える集会が制限されている中、会場ではマスクをしない支持者も多くみられた。トランプ大統領は北米自由貿易協定(NAFTA)を失効させ、米国・カナダ・メキシコ協定(USMCA)を発効させたことにより、自動車産業のメキシコへの移転を阻止したことを自らの実績として強調した。
(注)MBS国際空港はミッドランド市、ベイシティ市、サギノー市の3都市にまたがる。ミッドランド市にはダウ・デユポンの本社があり、サギノー市にはかつてGMの一大工場群があった。サギノー市のあるサギノー郡では前回の大統領選挙で、トランプ大統領がクリントン候補にわずか1.2ポイント差で勝利し、今回の大統領選でも大きな影響を持つ州内でも重要な地区の1つとみられている。
(齋藤秀美)
(米国)
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