欧州委、実写 版 ブラック ジャック
(EU)
ブリュッセル発
2020年09月28日
欧州委員会は9月24日、デジタル金融戦略や暗号資産(注)の規制法案などからなるデジタル金融パッケージを公表した。これは、欧州委が掲げるデジタル化への移行政策の一環で、欧州の金融業界の競争力や革新性を高めるとともに、消費者保護や利便性の推進を目指すものだ。
デジタル金融分野の規制を強化、新技術に合ったビジネス環境整備急ぐ
デジタル金融戦略は、フィンテックのスタートアップ企業や金融機関のデジタル事業の拡大のために、EUのデジタル金融の単一市場において加盟国間で異なるクロスボーダー取引規制の調整を目的とする。また、EU域内に共有の金融データ空間(クラウドサービス)を創設し、金融分野でのデータへのアクセスや共有性を高めることで、データ主導型のイノベーションを後押しする意向だ。
暗号資産の規制法案は、暗号資産に特化した初のEU規則となる。金融の安定性や投資家を保護しつつ、暗号資産の発行体やサービスプロバイダーに対する規制を明確にし、法的な確実性を示すことで、暗号資産の技術革新を推進する。また、欧州委は金融市場インフラ機関による暗号資産での取引や決済を実現すべく、実証制度法案も提案した。これは、いわゆる「サンドボックス制度」として、現行規制からの一時的な逸脱を許可することで、投資家保護や金融の安定性を確保しながら、規制監督機関がデジタル金融の新技術に関する知見を得るとともに、企業に新技術を活用したサービスの実証を可能にするものだ。
さらには、暗号資産の発行体だけでなく、関連サービスを提供する企業を対象とした、包括的な規制枠組みも提案。特に、サービスプロバイダーに対しては、EU域内の拠点設置義務、事前の認可要件、資本金規制、顧客資産の自己資産からの分離保管義務などが課される。発行体に対しても、詳細な実写 版 ブラック ジャック開示義務が課されるほか、加盟国当局および欧州銀行監督局(EBA)の監督対象となる。
デジタル金融パッケージには、このほかにEU域内でのより統合された安全かつ迅速な決済システムの構築を目指す小売り支払い戦略や、金融システムのあらゆる参加者を対象にサイバー攻撃などからの防衛策の配備を目指すデジタル運営レジリアンス法案が含まれる。
一連の法案は成立に向け、今後、EU理事会(閣僚会議)および欧州議会で審議される予定だ。
(注)暗号資産(クリプトアセット)は、電子的な保管や取引が可能な価値や権利の記録実写 版 ブラック ジャックの総称。
(吉沼啓介)
(EU)
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