韓国政府、チェコ原発事業の受注意思を表明

(韓国、チェコ)

ソウル発

2020年08月27日

韓国の成允模(ソン・ユンモ)産業通商資源部長官は8月19日にチェコのハブリーチェク産業貿易相、20日にミル原発特使とテレビ会議を行い、チェコで新たに計画されているドコバニ原子力発電所(注)に関し、韓国政府の積極的な参加意思を表明した。

今回のテレビ会議は、韓国・チェコ国交正常化30周年を記念し、両国間の産業・技術・エネルギーなどさまざまな分野における協力強化について議論するために行われた。ハブリーチェク産業貿易相とのテレビ会議では、成長官は、原子力産業に加え、ポストコロナ時代における産業競争力の確保を目的とし、人工知能(AI)、ロボットなどを活用した産業デジタル化分野などにおける実務レベルの協力チャネルの新設を提案した。また、産業協力のモメンタムを生かし、成果の創出を促進するため、2020年内に「韓国・チェコ産業協力委員会」の開催を呼び掛けた。

ミル原発特使とのテレビ会議では、韓国・チェコ間の具体的な原発分野での協力策について集中的に議論した。成長官からは、アラブ首長国連邦(UAE)での原発受注実績(注2)を基に、韓国の原発の技術力と優位性を説明し、今後、ドコバニ原子力発電所の建設計画に関し、韓国水力原子力(KHNP)を中心に関連企業が参加する「チームコリア」(注3)の活動を積極的に支援する考えを表明した。

(注1)ドコバニ原子力発電所は、2020年末に入札公告、2021年中に提案書受付、2022 年に事業者選定、2029年から建設に着手し、2036年に初号機の稼働を予定。

(注2)2009年に、韓国電力がUAEのバカラ原子力発電所を受注。

(注3)チームコリアは、現在、入札専門組織を構成し、入札提案書(案)の作成などを推進している。

(当間正明)

(韓国、チェコ)

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