ブエノスアイレス市、飲食店と建築業の規制を一部緩和

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2020年08月31日

アルゼンチンのブエノスアイレス市政府は8月28日、新型コロナウイルス感染拡大による外出禁止措置が継続される中、市内の緩和措置計画に沿って、飲食業および建築業を一部再開する方針を発表した。オラシオ・ロドリゲス・ラレッタ市長は「市内の1日当たりの感染者数は約1,100人で依然として多いものの、段階的に商業活動の再開を行ってきている中でも安定した数字が保てている」とした。現在、「商業、製造業、専門サービスなど100%再開し、個人競技の屋外スポーツや子供たちの散歩も可能になっている」と主張し、公衆衛生上の安全を確保した上で、今回、営業再開が最も訴え続けられていた飲食業、建築業を一部許可するとした。また、外食業界を支援する目的で、2020年9月から2021年2月にかけて、市内の飲食に伴う店舗に対し、市税の総売上税を免除するとも発表した。

主な措置は以下のとおり。

【飲食業】

  • デリバリーおよび持ち帰りサービスに加えて、テラス席、路上客席など屋外スペースでのサービス提供を許可する。店内でのサービス、飲食は引き続き不可とする。
  • 密接を避けるため、テーブル間の距離は1.5メートルとし、1テーブルの着席数は4人まで。
  • 従業員は常にマスク着用。また、消毒用アルコールの設置。テーブルは使用後、使用前、客が入れ替わる都度、消毒する。カウンターにはアクリル板など、仕切りを設置する。
  • 会計処理には、電子マネーなどの非接触型決済の導入を推奨する。クレジットカードなどの場合、消毒を徹底する。
  • 店舗・施設の清掃と消毒、また食品の安全と衛生管理、従業員の健康・衛生管理を徹底する。
  • 従業員は、公共交通機関を使用してはならない。

【建築業】

  • 工事終了までの予定日数が90日間以下、または5,000平方メートルの中断されていた工事の再開を許可する。
  • 時間帯は短縮して、月曜~金曜の午前10時から午後7時まで、土曜は午前10時から午後2時まで。
  • 人との距離は1.5メートルを保つ。工事現場の施設、設備の清掃と消毒、関係者・従業員の健康・衛生管理を徹底する。
  • 関係者・従業員は、公共交通機関を使用してはならない。

8月28日付の現地紙「ラ・ナシオン」によると、外食業界団体は、飲食店に段階的な緩和措置が取り入れられていることは歓迎するものの、「これまで受けた打撃は甚大」と訴えているという。特に、金融機関、官公庁、大手企業などが集積する中心地区では、多業種の約4,000店舗の20%が「既に閉店または再開が不可能」としている。人の接触を避けるため、会社員や公務員などがリモートワーク、在宅勤務を継続し、中心地区での人の移動が大幅に減少したことが原因だとしている。

写真 路上でのサービスを開始した市内の老舗カフェ。ウエイターも客もマスクを着用(ブラック ジャック 勝ち 方撮影)

路上でのサービスを開始した市内の老舗カフェ。ウエイターも客もマスクを着用(ジェトロ撮影)

写真 路上座席での飲食が可能となった市内のファーストフード店(ブラック ジャック 勝ち 方撮影)

路上座席での飲食が可能となった市内のファーストフード店(ジェトロ撮影)

(山木シルビア)

(アルゼンチン)

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