コトヌ自治港、海賊対処で停泊船舶に賦課金を導入
(ベナン)
アビジャン発
2020年08月05日
ベナンのコトヌ自治港(PAC)は7月29日、海賊や武装強盗が頻発するギニア湾沖における安全対策の一環として、港湾に停泊する船舶に対し、海賊対処賦課金を導入する通達を出した。同措置は、7月13日に公布された省令に基づくもので、ベナン海軍による船舶の護衛を見込む。
導入された賦課金は、船上に民間雇用の武装した護衛者が配置されている場合でも、係留する船舶1隻当たり船体の長さによって35万~45万CFAフラン(約7万~9万円、1CFAフラン=約0.2円)が課される。護衛者が乗船していない場合、停泊中の護衛に加えて、ベナン沿岸の航行に武装警備隊のエスコートが配備され、エスコートごとに36万CFAフランが徴収される。
同地域では2020年1月にも、船舶防護を強化する追加措置がとられたが、海賊事件は収まる気配がない。現地報道(「Agence Ecofin」8月3日)によると、ベナン沿岸では7月17日にも石油タンカーの乗っ取り事件が発生。ロシアとウクライナ国籍の乗組員13人が誘拐されたばかり。同領域では、2020年に入って8件の海賊事件が起きている。
日本外務省ウェブサイトによると、2020年(第1四半期)のギニア湾沖の海賊等事案発生件数は21件で、乗り込み事案は12件、未遂事案は5件、銃撃事案は4件だ。全世界の海賊等事案の約4割が同海域で発生しており、航行には注意が求められるとしている。
(渡辺久美子)
(ベナン)
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