コロンビア・イスラエルFTA発効、技術革新促進も目指す

(コロンビア、イスラエル)

ボゴタ発

2020年08月17日

コロンビアとイスラエルの自由貿易協定(FTA)が8月11日に発効した。両国は2012年に交渉を開始し、5回の交渉会合を経て2014年に署名。双方での国内手続きが完了したことを受け、8月10日、両国首脳と閣僚がそろってオンラインの記者会見を行った。イスラエルはコロンビアにとって、中東地域で初めてのFTA締結国となる。一方のイスラエルは、メキシコ(2000年7月発効)、パナマ(2018年署名済み)、メルコスール(2011年9月発効)など中南米の国々と協定を締結している。

イスラエルへの市場アクセスについて、即時撤廃率は工業製品で99.0%、農産物で97%となる。残りは段階的に関税率が下がり、5年目に撤廃となる。即時撤廃となる商品のうち取引額の多い品目は、コーヒー、キャンディ、クッキーなど。花卉(かき)は割当制となり、バラは500トン、カーネーションと菊は250トン、それぞれ無関税枠が割り当てられた。

2019年のコロンビアの対イスラエル貿易額は、輸出が3億6,599万ドル、輸入が8,798万ドルで、貿易額全体に占める割合は0.01%以下とわずかだ。輸出の91.6%を石炭が占めており、コーヒーが4.5%と続く。コロンビアは今後、非資源分野、特に農産品の輸出拡大を目指す。

会見では、コロンビアが2020年中に、エルサレムにイノベーションに特化した施設を開設することも発表された。主導するのは商工観光省傘下の政府系アクセラレーターのインプルサ(iNNpulsa)だ。新たに開設するオフィスは、両国のエコシステムと起業家をつなぎ、最先端の技術移転や、コロンビアの起業家とイスラエルのファンドの橋渡しの役割を果たす。インプルサのイグナシオ・ガイタン代表は、コロンビアの起業家のためにスタートアップ大国として知られるイスラエルをパートナーとして選んだと語り、特にアグロテック、サイバーセキュリティ、ヘルステック、エドテック、フィンテックといった分野を強化する考えを述べた。

(茗荷谷奏)

(コロンビア、イスラエル)

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