EU加盟国首脳、ブラック ジャック web、大統領選後の当局対応を批判
(EU、ベラルーシ)
ブリュッセル発
2020年08月20日
欧州理事会(EU首脳会議)は8月19日、ベラルーシ情勢などに関するテレビ会議を開催した。ベラルーシでは8月9日の大統領選挙の結果をめぐり大規模な抗議活動が行われ、市民と当局との衝突により、情勢の悪化が懸念されている(参照)。これを受けて、ジョゼップ・ボレルEU外務・安全保障政策上級代表が14日にEU加盟国外相をテレビ会議に招集。市民の平和的な抗議に対するベラルーシ当局の不均衡な暴力の停止を求めるとともに、大統領選は自由でも公正でもないことからその選挙結果を認めず、ベラルーシ政府に対し反対派や市民との対話を支援する用意があるとの見解で一致していた。さらに、加盟国外相レベルで、暴力や選挙不正に責任を負う者に対する制裁を科すことで合意しており、今回の欧州理事会メンバーによるテレビ会議では、こうした点を加盟国の首脳レベルであらためて確認した。テレビ会議後の会見で、欧州理事会のシャルル・ミシェル常任議長は民主的な権利の行使を求めるベラルーシ国民を支持するとし、ベラルーシ国民との連帯を強調した。
制裁の詳細は未定
ミシェル常任議長はさらに、暴力の停止を求め、責任者に対する不処罰を受け入れないことを明確にするために、制裁について全会一致で合意していると述べ、今回の制裁がベラルーシ全体ではなく、あくまで暴力や選挙不正に関与した特定の責任者を対象とする点を明確にした。制裁の対象者はかなりの数になる見込みで、アレクサンドル・ルカシェンコ大統領も対象となる可能性があるとした。ただし、制裁の詳細は、内容を精査して適切な手続きを経る必要があることから、今回の発表では明らかにせず、速やかに実施する意向であることを述べるにとどまった。
なお、EUは2004年からベラルーシに対する制限的措置を講じており、現在もベラルーシへの武器禁輸や少数ではあるが制裁対象者の資産凍結、EUへの入域禁止などの措置を取っている。
(吉沼啓介)
(EU、ベラルーシ)
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