ベトナム税関総局、EVFTAの原産地証明書類への適切な対応を指示
(ベトナム、EU)
アジア大洋州課
2020年08月27日
ベトナム税関総局は8月21日、税関監視管理局公文書5575/TQHQ-GSQLを出し、全国の税関支局に対して、EUベトナム自由貿易協定(EVFTA)の原産地証明書類への対応を指示した。これによると、税関申告者がEVFTAの原産地証明書類を提出する場合、各税関支局は、他のFTAの場合と同様の申告手続きを申告者に案内するよう求めた。また、EUからベトナムに輸入される貨物に対して適用される原産地証明制度について、EUの登録輸出事業者システム(REXシステム)に登録した輸出者による自己証明書類が使用されることを周知した(注)。公文書を発することで、各税関支局での円滑かつ統一的な対応を図り、EVFTAの着実な実施を確保したものとみられる。
他方、ベトナムでは、EVFTAに基づく輸出入税率を定める政府の政令が依然として公布されていない。この点に関し、ジェトロが税関監視管理局にヒアリングしたところ、「現時点では、政令が公布されていないため、原産地証明書類の提出と申告は可能だが、EVFTAの関税率は適用できない。輸入者は、一時的にMFN税率に基づいて関税を支払い、政令の公布後、還付などを行うことになる予定」とのことだ。実際、公開されているEVFTAの輸出入税率を定める政令の草案では、EVFTAの発効日(2020年8月1日)から政令の施行日までに輸入され、EVFTAの適用条件を満たした貨物について、輸入時に支払った関税がEVFTAに基づく関税よりも高い場合には、過払い税の処理を受けることができるとしている。
(注)6,000ユーロを超えない貨物の場合は、REXへの登録がない輸出者であっても自己証明が可能。
(北嶋誠士)
(ベトナム、EU)
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