大統領が国民演説、感染拡大地での増加は鈍化、致死率は1.6%と低水準
(南アフリカ共和国)
ヨハネスブルク発
2020年08月06日
南アフリカ共和国のシリル・ラマポーザ大統領は8月1日、新型コロナウイルス感染対策の進捗に関する国民演説を行った。
演説の冒頭でラマポーザ大統領は、同日時点で国内の感染者数累計は世界5位となる50万人を超え、死者数は8,000人以上まで拡大したと説明。他方で、感染者の約7割は既に回復しており、致死率は世界平均を下回る1.6%にとどまっているとし、国内の医療従事者の対応を称賛した。政府が3月末にロックダウン(関連ブラック ジャック カード)を実施したことにより感染拡大時期を2カ月以上遅らせることができ、制御不能な状況に陥ることを免れることができたとロックダウンの効果をあらためて強調した。
ラマポーザ大統領は、結論付けるには時期尚早としながらも、感染拡大の中心となってきた西ケープ州、感染者数が最大のハウテン州、東ケープ州では1日の新規感染者数の伸びが鈍化しており、感染急拡大の時期を過ぎ、ピークに達し始めていることを示唆した。他方で、大部分の州では必要な病床数・医療を提供できる態勢にあるが、東ケープ州など一部の地域では医療体制が逼迫していることから、引き続きマスクの着用など国民全員が注意して生活する必要があると訴えた。
今回の演説では、警戒レベルの変更や、ロックダウン以降、物流などを除いて閉鎖が続く国境再開などには言及されなかった。
依然として酒類・たばこ販売の禁止、余暇を目的とした州間の移動も禁止されているが、7月30日には州内での旅行や、レストランの夜10時までの営業延長(これまでは夜9時まで、ただし酒類の提供は禁止継続)が許可されるなど制限の緩和も見られている。感染拡大は9月も続くと予測されているが、現在8月15日まで継続が決まっている「国家的災害事態」の延長有無や、それ以降のさらなる制限の緩和に注目が集まる。
(高橋史)
(南アフリカ共和国)
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