2019年のフランス有機市場は119億ユーロ、欧州最大市場が目前

(フランス)

パリ発

2020年07月20日

フランスの有機食品市場が堅調に成長している。アジャンス・ビオ(注)は7月9日、2019年の有機食品の売上高は前年比13.5%増の119億3,000万ユーロになったと発表した。有機食品市場は、ビオブームの高まりが顕著になり始めた2015年の64憶ユーロから5年間で約2倍に拡大した。有機食品の欧州最大市場であるドイツは2019年の売上高が前年比9.7%増の119億7,000万ユーロで、フランスがドイツを追い越す勢いだ。

2019年のフランスの1人当たりの有機食品の年間購買額は178ユーロ(添付資料図参照)。1人当たり欧州で最も高い国(デンマーク、スウェーデン、オーストリア、ルクセンブルク)の1つに数えられるスウェーデンの264ユーロには及ばないものの、ドイツの144ユーロを既に上回り、家計の食費の6.1%を占めるようになった。

有機食品の購入先は、スーパーなど大手流通が55%、有機食品専門店が28%、直販が11%、個人商店が6%。品目の内訳では、加工食品(29%)、生鮮野菜・果物(17%)、乳製品(16%)、肉類(10%)、アルコール飲料(9%)、パン(8%)、冷凍・加工・魚介類(7%)、非アルコール飲料(5%)となっている。

アジャンス・ビオが2月に発表したアンケート結果(2,000人を対象に2019年11月15~27日実施)によると、少なくとも週1回有機食品を消費しているフランス人は、2015年の37%から2019年には47%に増加、有機食品を月1回消費するフランス人は71%となっている。

有機食品は、フランス人の生活にしっかりと根付いてきたといえる。アジャンス・ビオのフィリップ・アンリ会長はプレス発表の中で「有機食品は製品の品質や健康、味覚に対する消費者の願望に応えるものだ。環境保護や動物愛護の尊重にますます敏感になっている」と述べた。

(注)アジャンス・ビオは、2001年に創設された有機農業の発展と促進のための公益団体。

(奥山直子)

(フランス)

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