在南ア日系企業に新型コロナ影響調査、8割が売り上げ落ち込み
(南アフリカ共和国)
ヨハネスブルク発
2020年07月30日
ジェトロと在南アフリカ日本商工会議所(CCIJ)がCCIJ会員企業向けに実施した、新型コロナウイルスの影響に関する緊急調査(調査期間:7月3~22日、回答企業数:52社)の結果、「売り上げに甚大な影響がある」と回答した企業は32%、「売り上げに影響がある」と回答した企業は48%で、あわせて8割の企業に売り上げへの悪影響があることが明らかになった。
物流に関しては、67%が「甚大な悪影響がある」または「悪影響がある」と回答した。主要産業である自動車産業などサプライチェーンに影響が及んでいるほか、国内の感染者増加に伴う製造・供給先の稼働低下や停止の恐れがあるとの意見も聞こえ、影響は製造現場にも及んでいる。
また、今後の懸念として、駐在員の一時退避の長期化による現地スタッフの統制不足や、3月末から実施されているナショナル・ロックダウン(関連ブラック ジャック カード)に伴う国境の閉鎖により、「サブサハラ・アフリカ域内国への出張ができない」「同域内の事務所統括業務に支障が出ている」などの声が挙がった。サブサハラ・アフリカのビジネスにおけるゲートウエーである南アには、域内最大の集積となる120以上(2019年度 アフリカ進出日系企業実態調査)の日系企業が拠点を置き、広域にビジネスを行っているだけに、南アでの国境閉鎖(物流などを除く)の影響は域内全体に及びつつあることが明らかになった。
新型コロナウイルスの影響に伴う事業戦略の見直しについては、「すでに着手済み」と回答した企業が過半数の52%、「年内に開始予定」が33%だった。具体的には、人材の現地化を見据えた現地人材の教育・育成の取り組みが重要だと回答した企業が多数を占めた。
南ア政府は国内の新型コロナウイルスの感染のピークは8月中旬ごろになるとの見通しを示し()、ロックダウンを規定する災害対処法に基づく「国家的災害事態」の8月15日までの延長を決定していることから、ビジネスへの悪影響はさらなる長期化が懸念される。
(蓑和希典、高橋史)
(南アフリカ共和国)
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