マクロン大統領、新首相にカステックス氏を任命
(フランス)
パリ発
2020年07月08日
マクロン大統領は7月3日、前日に辞職したエドアール・フィリップ首相の後任にジャン・カステックス氏を指名した。大統領は首相交代について、世界情勢の変化や新型コロナウイルス感染症がもたらした危機に適合した新たな政策運営が必要になったと説明した。
ジャン・カステックス氏は新型コロナウイルス感染症に関わる移動制限の段階的な緩和を指揮した人物。フィリップ前首相と同じ右派・共和党出身で(首相就任を前に離党)、雇用省および連帯・保健省の大臣官房長や大統領府の社会政策顧問などを務めた。また2008年より南西部ピレネー・オリアンタル県プラード市の市長を務める。2020年3月の市町村議会選挙では第1回投票で圧勝し、再選を果たした。首相任命には実務家としての手腕や地方議員としての経験が買われた。
カステックス新首相はマクロン大統領が今後の優先政策課題として掲げた経済復興、社会保障制度と環境に関わる改革の継続、公正な共和国秩序の再建、欧州主権の擁護等について、2022年のマクロン大統領任期終了までに具体的な成果をあげることが求められる。
マクロン大統領は7月6日、カステック首相の提案に基づき、31人の新内閣人事を発表した(添付資料参照)。経済復興を担う経済・財務・復興相にはブリュノ・ル・メール経済・財務相が留任した。労働・雇用・復帰相にはエリザベット・ボルヌ環境連帯移行相が転任し、新設したエコロジー移行相には環境派出身のバルバラ・ポンピリ下院議員を任命した。内務相にはジェラルド・ダルマナン前公会計・行動相が任命された。
ジャン=イヴ・ル・ドリアン欧州・外務相、オリビエ・べラン連帯・保健相などフィリップ内閣からの留任や転任が多く、やや新鮮味に欠けるが、カステックス首相は即座に行動に移せる機動性を持った人物を閣僚に任命する旨を予告していた。
(山崎あき)
(フランス)
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