2020年上半期で約1,200件の規制を緩和

(ロシア)

欧州ロシアCIS課

2020年07月16日

ソ連時代や1990年代~2000年代のロシアで制定されたものの、今日、順守する必要性に乏しい手順・ルールの整理が進んでいる。経済発展省は7月11日、2020年上半期に約1,200件の規制を緩和したと発表した。現状にそぐわない衛生防疫要件や労務管理などを一斉に撤廃し、事業者の負担を軽減する。

プーチン大統領は2019年2月20日に実施した年次教書演説の中で、ビジネス環境に影響をもたらしている時代遅れの規制の撤廃を提唱した。2019年に立ち上げられた大規模な規制刷新プロジェクト「規制ギロチン」の枠内で、行政機関が管理監督活動を規定する全ての法令をゼロベースで見直し、事業者が違反を犯す確率と最新の技術動向に基づき刷新するもの(メドベーブラック ジャック)。

経済発展省によると、2020年1月1日~7月9日の間に、17本の連邦政府決定によって638件の規制の見直しを行った。主なものとして、アルコール・同含有製品の生産・流通に関する規制154件、認証を付与された者の活動管理79件、レジの利用77件、技術規則69件などが含まれている(添付資料表参照)。加えて、省庁レベルの法令の刷新も行われており、3本の省庁規程によって、572件(注)の行政機関による管理や事業者の順守事項が緩和されることとなった。これらの規制は2021年1月1日に廃止される。

具体的には、2020年6月9日付連邦政府決定第841号によって、アルコール製品にラベルを貼り付ける際の手順や輸送・管理に必用な添付文書を義務付けている一部のルールが撤廃され、2020年4月17日付運輸省規程第128号では鉄道員の労務規程・訓練、衛生防疫措置などの要件の廃止を規定している。

経済発展省は2020年末までに、150本の連邦政府決定および380本の省庁レベルの法令によって530件の規制の見直しを行う予定で、これにより事業者が順守しなければならない要件の数は6分の1になるとしている。

(注)2020年4月17日付運輸省規程第128号(輸送サービス提供会社に対する規制緩和)によって563件、2020年1月28日付連邦執行局規程第117号(債権回収機関の活動に対する管理)で5件、2020年2月12日付財務省規程第25n号(宝くじの企画・実施)では4件の規制の廃止が規定されている。

(齋藤寛)

(ロシア)

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